相続放棄の費用完全ガイド|報酬相場、手続きの流れ、注意点を解説

家族の遺産を相続する際、遺産の価値や現金を受け取ることが一般的です。しかし、相続放棄を選択した場合、遺産を受け取らない代わりに、相続放棄をする人が手続きの費用を支払わなければなりません。相続放棄には様々な費用がかかり、その詳細について理解しておくことは非常に重要です。

相続放棄は十分な準備をして臨むことで、スムーズに進行することができます。それでは、具体的な費用や手続きの流れ、注意点について詳しく解説していきましょう。

今回の記事のポイントは下記のとおりです。

  • 相続放棄の手続きを専門家に依頼せず自分でやる場合、かかる費用はケースによって異なるものの実費として5,000円程度かかる
  • 相続放棄するか判断が難しい場合や書類の書き方がよく分からない場合は、司法書士や弁護士に依頼して手続きを進めたほうが良い
  • 報酬の相場は司法書士に依頼すると3~5万円程度、弁護士に依頼すると5~10万円程度
  • 弁護士は法的なアドバイスや法的トラブルの解決、司法書士は書類の整備や提出、不動産の分野に特化した専門家で依頼内容や状況に応じて選択する
  • 予算に余裕がない場合は、「法テラス」を活用すると効果的

この記事では、相続放棄の手続きを「自分でやる場合」「司法書士に依頼する場合」「弁護士に依頼する場合」にかかる費用や、相続放棄をした後にかかる費用について解説します。

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1.相続放棄の手続きと費用

相続放棄の一歩を踏み出す際、手続きと費用についての正しい情報は大切です。この章では、自分で手続きをする場合と専門家に依頼する場合の費用、そしてそれぞれのメリットについて掘り下げていきます。

1-1. 自分で相続放棄の手続きをする場合【約5,000円程度】

相続放棄を自分でする際の注意点

相続放棄は、自分で手続きすることが可能ですが、その際にはいくつかの重要な注意点が存在します。以下に、自分で相続放棄を検討する際のポイントを紹介します。

自己申述書のミスで裁判所への呼び出しがあるかも

相続放棄の手続きでは、相続放棄申述書と呼ばれる書類を提出する必要があります。この書類には、相続人の情報や相続放棄の理由、被相続人の情報などを正確に記入する必要があります。書類の不備や誤った情報があると、裁判所から訂正を求められることがあります。

自分で手続きをすると、裁判所へ呼び出しを受けたらその際にご自身で足を運ぶ必要があります。また、日程調整などして手続きが遅延し、面倒な追加手続きが必要になる可能性がある、ということを承知してご自身で手続きを進める必要があるのです。

期限を守れなければ、相続放棄は無効に

相続放棄の手続きには期限が設定されています。期限内に手続きを完了しなければ、相続放棄は無効となります。期限を逃すと、再度相続放棄手続きを行う必要が生じ、時間と労力がかかることがあります。したがって、期限をしっかりと守ることが重要です。

再申請は難しいから自分でやるなら注意

相続放棄の申述をして却下された場合、再申述をすることは可能ですが、一度却下された経緯を踏まえて考える必要があります。再度相続放棄の申述が受理されるためには、その際に相当な理由や根拠が求められることが一般的です。

一度却下された場合、裁判所は再申述に対して慎重な審査を行う傾向があります。したがって、再申述が受理されるためには、十分な説明や根拠が必要です。却下の原因や問題点を克服し、再度の申述が受理されるよう専門家のアドバイスを受けることが賢明です。

家族や関係者への誤解や不安を招くリスク

自分で相続放棄を進める際、家族や関係者に対して誤解や不安を招く可能性があります。特に家族内でのコミュニケーションが不十分な場合、相続放棄の意図や理由が誤解され、家庭内のトラブルを引き起こすことも考えられます。相続に関する事情を家族や関係者と共有し、十分な説明と協議を行うことが大切です。

総括すると、相続放棄は個人で行える一方で、注意が必要な手続きです。ミスや不備、期限の過失が避けられないリスクがあるため、専門家のサポートを受けることをオススメします。専門家は経験と知識を活かし、スムーズかつ確実な相続放棄手続きをサポートし、家族や関係者との間に入って調整することができます。

何か一つでもご不安がある場合、相続放棄は一度しか申請できないため十分に考えてから手続きを進めるようにしましょう。

相続放棄の手続きでかかる実費は5,000円程度

相続放棄の手続きを自分でやる場合にかかる費用としては、主に次のものが挙げられます。

  • 収入印紙800円(相続放棄申述書に貼付)
  • 必要書類の取得費用(戸籍謄本など)
  • その他(郵便切手や交通費など)

家庭裁判所に提出する相続放棄申述書には収入印紙800円分を貼付する必要があります。誰が相続放棄をするのかによって必要書類が異なるため、書類の取得にかかる費用はケースごとに異なりますが、実費として5,000円程度かかると考えておけばよいでしょう。

ただし、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本が必要な場合は発行費用がかさむことがあり、家庭裁判所に直接行って手続きをする場合は交通費の額が大きくなることがあります。

1-2.司法書士に相続放棄を依頼する場合の報酬相場【約3~5万円】

司法書士に相続放棄の手続きを司法書士に依頼する場合、一般的な報酬相場は3~5万円程度です。この金額はあくまで目安であり、具体的な報酬は依頼先や手続きの複雑さによって変動することがあります。

司法書士に依頼するメリット

相続放棄を司法書士に依頼することには以下のメリットがあります。

1.不動産のトラブル解決のプロ

司法書士は不動産登記や法的な書類作成に関する専門知識を持っています。相続放棄においても、不動産を含む財産の手続きや書類の整備に関する豊富な経験を活かし、スムーズな手続きをサポートしてくれます。

2. 予算に優しい選択

司法書士の報酬相場は一般的に低めであり、相続放棄を経済的に進めたい方に適しています。弁護士に比べて費用を抑えることができ、予算に合わせて手続きを進めることができます。

3. 地域に密着したサポート

多くの司法書士は特定の地域に密着して活動しており、地元の裁判所や行政機関との連携が強化されています。これにより、地域に特有の規則や手続きに詳しいため、地域での相続放棄手続きに適しています。

4.書類のプロが提供する正確性

相続放棄には多くの書類が必要ですが、司法書士は書類関連のプロフェッショナルです。必要な書類を正確に作成し、提出することで手続きのミスを防ぎます。司法書士に相続放棄の手続きを依頼することで、専門的なサポートを受けつつ費用を抑えられ、スムーズに手続きを進めることができます。

なお、弊社司法書士・行政書士事務所リーガルエステートでは、相続放棄に必要な書類の収集、書類の作成、申立書の提出代行など、無料相談をさせていただいております。相続放棄に必要な一連の手続きのアドバイスと手続きのサポートをさせていただきますので、お気軽にお問合せください。

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手続きにかかる費用相場

相続放棄の手続きを司法書士に依頼する場合、一般的な費用相場は約3~5万円程度です。しかし、これに加えて戸籍謄本の取得費用などが別途実費で請求されることがあります。また、報酬額や報酬体系は司法書士事務所ごとに異なるため、事前に見積りを取ることが重要です。

相続放棄の手続きには、相続開始から3ヶ月以内と3ヶ月を超えている場合で金額が異なることがあります。一部の事務所では、3ヶ月を超えた場合でも相続放棄が可能なケースがあるため、見積りを依頼する際にはご自身のケースでいくらかかるのかを確認しましょう。

ただし、3~5万円程度という金額はあくまで相続放棄の手続きにかかる費用の目安であり、相続放棄に関連するその他のサービスには別途費用がかかることがあります。たとえば、相続放棄の是非を相談して検討する場合や、相続放棄の手続き以外の法的アドバイスを求める場合には、コンサルティング料が加算されることがあります。

そのため、司法書士に依頼する際には、相続放棄の手続きに含まれるサービス内容や費用について詳細に確認し、予算に合わせたプランを選ぶことが大切です。

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1-3.弁護士に相続放棄を依頼する場合の報酬相場【約5~10万円】

弁護士は数ある士業の中でも特に大きな権限を持つ士業であり、相続放棄者本人に代わって手続き書類の作成や提出を行えます司法書士と違って手続き書類の提出まで任せられるので、弁護士に依頼した場合は自分で書類を提出する手間などはかかりません。

費用の相場は司法書士より多少高くなりますが、故人に借金があって債権者への対応が必要な場合や他の相続人とトラブルになっている場合には、債務の取扱いやトラブル対応の専門家である弁護士に相談すれば安心です。

弁護士に依頼するメリット

相続放棄を弁護士に依頼することには以下のメリットがあります。

1.紛争解決のプロフェッショナル

弁護士は法律の専門家であり、紛争解決に特化しています。相続放棄に関連する争いや紛争が予想される場合、弁護士の専門知識と経験が活かされ、問題を迅速かつ適切に解決する役割を果たします。

2.総合的な法的バックアップ

弁護士は相続放棄手続きだけでなく、相続に関連する他の法的問題にも対応できます。たとえば、相続税の計算や紛争の仲裁、不動産の売却手続きなど、幅広い法的サポートを提供します。

3.法廷闘争に強い味方

もし相続に関する争いが法廷にまで発展する場合、弁護士は裁判対応も行えます。法廷での代理人として訴訟を進め、クライアントの権益を守ります。

これらのメリットを活かし、弁護士に相続放棄の手続きを依頼することで、法的な問題に対処し、スムーズな相続放棄を実現できます。

手続きにかかる費用相場

弁護士に相続放棄手続きを依頼する場合、報酬額や報酬体系は弁護士事務所によって異なりますが、一般的には5~10万円ほどかかります。加えて戸籍謄本などの書類取得費用が別途実費として請求されることが一般的です。

弁護士に依頼する場合、報酬の形態は事案によって異なります。一部の弁護士事務所では「着手金+成功報酬」という形式で費用が発生し、着手金だけで20万円から30万円かかることがあります。しかし、相続放棄に関しては多くの場合、固定額で報酬が設定されており、通常は何十万円もかかることはありません。

ただし、特定のケースでは追加の費用が発生することがあります。たとえば、債権者からの執拗な督促に対処する必要がある場合や、他の相続人とのトラブルが生じた場合、裁判への対応に伴う費用も発生する可能性があります。ですから、依頼する際には事前に費用について詳細に確認することが大切です。

2.相続放棄後にかかる費用

相続放棄の手続きをして家庭裁判所に受理されれば、その方は最初から相続人ではなかったことになります。遺産分割協議の対象者ではなくなるため他の相続人と協議することはなくなり、遺産を一切相続しないため遺産の名義変更などの手続きをすることもありません。

このように相続放棄をすれば遺産相続には基本的に関わらずに済みますが、ケースによっては相続放棄後でも一定の手続きが必要になります。例えば、相続財産の中に空き家や不要な不動産がある場合には、相続放棄をした人に遺産の管理義務が生じる場合があり、後半の記事で解説する相続財産管理人の選任手続きで100万円前後かかる場合もあるので注意が必要です。

2-1.相続放棄申述受理証明書の発行手数料は150円

相続放棄申述受理証明書は文字通り「相続放棄したことを証明する書類」です。証明書は相続放棄をした家庭裁判所で発行手数料150円で取得でき、主に次の場合に必要になります。

  • 故人にお金を貸していた債権者から提出を求められた場合
  • 他の相続人が相続登記などの手続きをする際に必要で提出を求められた場合

まず債権者としては誰が相続人なのかを確認する必要があるので、相続放棄をしていて借金の返済義務がないのであれば、その証拠として証明書の提出を求めてくることがあります。証明書は債権者でも取得できますが、金融機関などの債権者から執拗な督促を受けないためにも、提出を求められたら自分で発行手続きを行って渡してしまったほうがよいでしょう。

また、相続放棄をしていない他の相続人が遺産の相続手続きをする際、相続放棄申述受理証明書の提出を求められることがあり、この場合にも事前に証明書の発行申請が必要です。証明書は相続放棄をしていない相続人でも取得できますが、他の相続人から依頼された場合には裁判所で発行手続きを行った上で渡すようにして下さい。

なお、相続放棄申述受理証明書を発行する際の必要書類は、相続放棄者本人が申請する場合とそれ以外の利害関係者(他の相続人・債権者)が申請する場合で異なります。家庭裁判所によって手続き方法が異なる場合があるので、手続きの流れや必要書類は事前に裁判所に確認するようにして下さい。

3.相続放棄を専門家に依頼すべきケース

相続放棄は期限内に何も問題なく書類が受理されれば、追加で費用がかかることはありません。しかし、何か手続き以外で必要な対処がある場合や相続放棄の条件に合わない場合に専門家への依頼が必要となり、費用が高くなってしまうケースがあります。以下3つが考えうるケースです。

3-1.相続放棄の期限”3か月以内”を過ぎている場合

相続放棄相続開始を知った日から3カ月以内」に原則行う必要があり、3か月を過ぎてしまうと認められません。
しかし、例外的に裁判所が期限に間に合わなかった事情を考慮して、相続放棄が行えるケースがあります。その場合、家庭裁判所が納得するような理由や事情が書かれた「上申書」の提出が必須です。

ご自身で作成することもできますが、相続放棄の上申書も失敗が許されない書類です。一度で相続放棄が認められるようにするために弁護士や司法書士に作成を依頼すると、その分費用がかかります。

3-2.財産調査が必要になる場合

相続放棄をするかどうかを検討するために、被相続人の財産がどの程度あるのかを明確に知る必要がある場合は、調査費用がかかります。

預貯金や不動産、有価証券、そして借金など、財産調査をしてみると当初想定していなかった財産や借金が判明することがあります。相続放棄には期限がありますので、もし被相続人の財産を特定できず、調査が必要だと考えているのであれば、費用はかかってしまいますが早目に動いた方がいいでしょう。また、自分で調査しても時間がかかってしまうことや財産を漏らしてしまう場合も多いので、一度専門家に相談することをオススメします。

3-3.相続財産管理人の選任が必要な場合

相続が開始したときには法律で決められた一定の親族が相続人になり、相続放棄をした方がいれば遺産の相続権は法定順位が次の方に移ります。しかし、相続人になれる方すべてが相続放棄した場合には、次に相続人になる方がいません。

この場合には、遺産の所有権が国や市区町村に自動的に移管されたり寄付されたりするわけではなく、相続放棄をした方が引き続き遺産の管理義務を負うことになります。遺産を国に帰属させるためには相続財産管理人の選任申立てが必要で、手続き先は相続放棄と同じく「被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

相続財産管理人の選任手続きについて、故人にお金を貸していた債権者などが選任の申立てを行うケースもありますが、誰も申立てをしなければ、遺産の管理義務を免れるためには相続放棄者が申立てをしなければいけません。相続財産管理人の選任の手続きでは、主に次の費用がかかります。

  • 収入印紙800円(家事審判申立書に貼付)
  • 必要書類の取得費用戸籍謄本など
  • 官報公告料4,230円
  • 予納金
  • その他(郵便切手や交通費など)

上記の費用の中の予納金とは、相続財産管理人が相続財産を管理するための費用です。予納金はかからない場合もありますが、100万円程かかり相続放棄者にとってかなり重い負担になる場合があります

なお、申立てで使う申請書のダウンロードや必要書類の確認は以下のサイトでできますが、手続き方法がよく分からなければ、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続財産管理人の選任(裁判所ホームページ)

3-4.相続放棄の仕方がわからない・面倒くさい場合

相続放棄手続きは複雑であり、正確に行うためには法的な知識と書類の作成が必要です。手続きの仕方が分からない場合や、手間や時間をかけるのが面倒くさい場合、専門家に依頼することを検討すべきです。

司法書士や弁護士は相続放棄手続きのプロであり、スムーズに手続きを進めるためのアドバイスやサポートを提供してくれます。専門家の協力を得ることで、手間やストレスを軽減し、相続放棄を効率的に進めることができます。

3-5. 相続人同士で争いがある場合

相続に関する争いや対立がある場合、専門家の支援が不可欠です。相続争いは法的な問題を伴い、感情的な面でも非常に難しいものです。

相続人同士の争いが激化すれば、裁判にまで発展する可能性があります。このような状況では、弁護士に相続放棄手続きを依頼することで、法的なアドバイスや争いの調停、訴訟への対応をしてもらうことが重要です。専門家の存在は冷静な判断を促し、トラブルの解決に向けた最善の方法を見つける助けになります。

相続放棄に関するご質問やお悩みがある場合、私たちリーガルエステートがお手伝いいたします。無料相談を受け付けておりますので、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。あなたの相続放棄に関する疑問や不安を解消し、最善の選択をサポートいたします。

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4.弁護士と司法書士の違いと選択基準

相続放棄手続きを進める際、弁護士と司法書士のどちらに依頼すべきか悩むことがあります。それぞれの役割や選択基準について詳しく見ていきましょう。

4-1.弁護士と司法書士の役割比較

法的な手続きや相続放棄に関わる業務を担当する、弁護士と司法書士の役割について、以下に詳しく説明します。

司法書士の役割

司法書士は、主に書類の整備や提出に特化した専門家です。以下の役割を担っています。

①書類の整備

司法書士は主に書類の収集や整備、提出を専門とします。相続放棄申述書などの書類を正確に作成し、手続きを円滑に進めます。

②不動産関連の専門知識

不動産が相続財産に含まれる場合、司法書士は不動産登記や関連書類の作成に長けています。不動産の登記に必要な手続きを効率的に行います。

弁護士の役割

弁護士は法的なアドバイスや法的トラブルの解決を専門としています。具体的な役割は以下の通りです。

①法的アドバイス

弁護士は法律に関する専門知識を持ち、法的なアドバイスを提供します。相続放棄に関連する法的な問題やリスクを詳細に説明し、最適な戦略を立てるのに役立ちます。

②紛争解決

弁護士は紛争の解決にも精通しており、相続人間や債権者との争いが発生した場合、法廷での代理を行います。訴訟や調停において、クライアントの権益を守ります。

③書類作成

必要な書類の作成や提出も弁護士の役割です。法的文書の正確な作成は、手続きの成功に不可欠です。

相続放棄の手続きにおいて、弁護士と司法書士はそれぞれの得意分野と役割を持っており、依頼内容や状況に応じて選択することが重要です。次に、どちらを選ぶべきかを検討するための基準について詳しく見ていきましょう。

4-2.弁護士と司法書士の選択基準

弁護士と司法書士の選択基準について、以下にご紹介します。

司法書士に依頼したほうがいいケース

相続放棄に際して、主に書類の収集や作成をサポートしてほしい場合は、司法書士に依頼することは経済的にみていいでしょう。司法書士は書類関連の専門家であり、手続きに必要な書類の整備や提出に精通しています。
以下は、司法書士に依頼したほうが適切なケースの説明です。

① 書類の収集や作成だけサポートしてほしい

相続放棄において、法的なアドバイスや紛争解決を必要とせず、主に書類の収集や作成をサポートしてほしい場合、司法書士に依頼することが理想的です。司法書士は書類関連のプロフェッショナルであり、必要な書類を正確に用意し、手続きを円滑に進めるのに役立ちます。

② お金をあまりかけたくないが、相続放棄を専門家に依頼したい

相続放棄の手続きを専門家に依頼したいが、費用を抑えたい場合、司法書士に依頼することが経済的な選択です。司法書士の報酬相場は弁護士に比べて一般的に低いため、予算に合わせて手続きを進めることができます。費用面でのストレスを軽減しつつ、専門的なサポートを受けたい場合に最適です。

③ 土地や家を含む相続放棄をしたい

相続財産に土地や家などの不動産が含まれる場合、司法書士に相続放棄の手続きを依頼することが非常に重要です。司法書士は不動産登記や関連書類の作成に長けており、不動産の登記に必要な手続きを効率的に進めることができます。特に不動産が複雑なケースでは、司法書士の専門知識が不可欠です。

④ 揉めそうな相続人がいない

相続放棄の手続きにおいて、相続人間での対立や争いが予想されない場合、司法書士に依頼することが合理的です。司法書士は基本的な手続きや書類作成に特化しており、法的な問題や紛争解決には弁護士が適しています。相続人間の信頼関係が良好で、スムーズに手続きを進めたい場合に、司法書士のサポートが役立ちます。

弁護士に依頼したほうがいいケース

弁護士に相続放棄の手続きを依頼する場合、以下のようなケースが特に適しています。

① 相続放棄全ての手続きを全部任せたい

相続放棄は法的な手続きが必要であり、その手続きは複雑な場合があります。特に複数の相続人間での問題が予想される場合、弁護士に相続放棄を依頼することで、全ての手続きをプロに任せることができます。また、弁護士に依頼すると、相続放棄照会書や回答書は直接弁護士に届き、依頼者自身が手続きに関するやりとりを気にする必要がありません。これにより、手続き全体を専門家にお任せでき、スムーズな相続放棄が可能です。

② 相続人間・債権者と揉めていて対応してほしい

相続放棄において、相続人間や債権者との紛争や対立が予想される場合、弁護士に依頼することが望ましいです。弁護士は紛争解決の専門家であり、法的な争いやトラブルを解決するための戦略を立て、代理人として交渉や訴訟を行います。揉め事をスムーズに解決し、法的なトラブルを未然に防ぐためには、弁護士の専門知識と経験が不可欠です。

③ 相続問題を他にも持っている

相続放棄以外にも、相続に関連する他の法的な問題やトラブルを抱えている場合、弁護士に相続放棄の手続きを依頼することが有利です。弁護士は幅広い法的な分野に精通しており、相続に関するさまざまな問題に対処できます。複雑な相続問題を包括的に解決するために、弁護士のアドバイスと支援を受けることで、全体的な安心感を得ることができます。

以上のようなケースでは、弁護士に相続放棄を依頼することで、法的な専門知識と経験を活かしてスムーズかつ確実に手続きを進めることができます。自身の状況に合わせて適切な専門家を選び、相続放棄を円滑に進めましょう。

5.予算に余裕がない場合の相続放棄対策と賢い選択肢

相続放棄は法的な手続きを伴うため、費用がかかることがあります。しかし、予算に余裕がない場合でも、賢い選択肢を活用することで、相続放棄をスムーズに進めることができます。その一つが「法テラス」の利用です。

5-1.法テラスを利用する

法テラスは、一般の人々が法的な問題に関するアドバイスや支援を受けるための公的なサービスです。この法テラスの民事法律扶助制度を利用すると、弁護士・司法書士費用を安く抑えることができます。内容にもよりますが、場合によっては費用が半額程度に抑えられるケースもありますので、ご検討ください。

予算に余裕がない場合でも、法テラスを活用することで、相続放棄に関する正確な情報を得て、スムーズに手続きを進めることができます。法的な問題に対処するためのサポートを受けながら、費用を抑える方法を選ぶことが、安心して相続放棄を進める鍵となるでしょう。

法テラスの利点

法テラスは以下の点でメリットがあります。

①無料相談

法テラスでは、相続放棄に関する無料相談を受けることができます。専門家からアドバイスを受けることで、自身の状況や必要な手続きについて正確な情報を得ることができます。

②法的アドバイス

法テラスの相談員は法律に詳しく、相続放棄に関連する法的問題に対してアドバイスを提供します。適切な手続きや書類についての指導を受けられます。

③書類の作成支援

相続放棄に必要な書類の作成に困った場合、法テラスはその支援を行います。正確な書類作成は手続きの成功に不可欠です。

6.相続放棄するか悩んでいる方は、無料相談を活用してみてください

当サイトでは、お客様の現時点での状況を整理して、3ヶ月という申請期限のある相続放棄ができるかどうか、無料相談が可能です。累計4000件を超える相続・家族信託相談実績をもとに、専門の司法書士・行政書士がご連絡いたします。

また、相続放棄を進めていくにあたって、必要な手続きや費用についてご説明いたします。自分の家族の場合は、相続放棄を選択した方が良いのか、相続放棄をするのであれば、どのような手続きになるのか気になるという方は、ぜひこちらから無料相談をお試しください。

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7.相続放棄の手続きの流れを簡単解説

相続放棄は、亡くなった方の遺産を受け継がないための手続きです。この手続きは法的な要件を満たす必要があり、特に書類の提出や照会が必要です。以下では、相続放棄の手続きの基本的な流れを解説します。

7-1. 相続放棄に必要な必要書類の収集・作成

最初に行うべきことは、相続放棄に必要な書類を収集または作成することです。必要な書類には以下が含まれます。

  • 相続放棄申述書: これは相続放棄の申し入れを記載する書類で、正確かつ詳細に情報を記入する必要があります。申述書の記入例も提供されていることがあります。
  • 戸籍謄本: ①亡くなった方の死亡記載がある戸籍
    ②相続放棄をされる方の現在戸籍
    ※但し、相続放棄をするのが、亡くなられた方のお子さんの場合、両親の場合、兄弟姉妹の場合と、場合により必要になる戸籍は変わりますので、詳細は管轄の家庭裁判所にご確認ください。

これらの書類を整備し、不足がないことを確認します。

7-2. 申述書を裁判所に提出

相続放棄申述書と必要な書類が揃ったら、最寄りの家庭裁判所に提出します。提出先の家庭裁判所は、亡くなった方の最後の住所地を管轄することが一般的です。

提出後、裁判所では相続放棄の申し入れが受理され、照会書・回答書が一般的に発行されます。

7-3. 照会書・回答書を返送する

裁判所から届く照会書は、いわゆる「送付状」のようなものです。この照会書に、「同封の回答書に記載をして裁判所に返送してください」という内容が書かれています。

回答書には、相続放棄に関する質問事項が記載されています。この質問事項に対して、正確かつ詳細に回答し、回答書を返送します。

7-4. 相続放棄申述受理通知書の確認

裁判所が回答書を受け取り、相続放棄の申し入れが受理された場合、相続放棄申述受理通知書が発行されます。この通知書には、相続放棄が正式に受理されたことが記載されています。

手続きの結果が受理となった場合、相続放棄は正式に完了します。

相続放棄の手続きは、法的な要件を満たす必要があるため、正確な書類の提出と質問事項への適切な回答が重要です。手続きがスムーズに進行するよう、書類の整備や裁判所からの照会に注意を払いながら進めましょう。

更に詳しく知りたい方は、以下のブログに書いてあるのでチェックしてください。

8.動画解説|相続放棄を専門家に依頼するメリットと報酬相場

相続放棄手続きは、法的なプロセスが必要なため、専門家のサポートが非常に役立ちます。この動画では、相続放棄を専門家に依頼する際のメリットと、報酬相場について詳しく解説しています。相続放棄に関する疑問や不安を解消し、スムーズな手続きを進めるためのポイントを紹介しています。ぜひご覧ください。

9.まとめ

この記事では相続放棄の手続きでかかる費用について見てきました。本章の内容をまとめてみましょう。

  • 相続放棄の手続きを専門家に依頼せず自分でやる場合、かかる費用はケースによって異なるものの実費として5,000円程度かかる
  • 相続放棄するか判断が難しい場合や書類の書き方がよく分からない場合は、司法書士や弁護士に依頼して手続きを進めたほうが良い
  • 報酬の相場は司法書士に依頼すると3~5万円程度、弁護士に依頼すると5~10万円程度
  • 弁護士は法的なアドバイスや法的トラブルの解決、司法書士は書類の整備や提出、不動産の分野に特化した専門家で依頼内容や状況に応じて選択する
  • 予算に余裕がない場合は、「法テラス」を活用すると効果的

相続放棄の手続きを自分でやる場合にはそれほど大きな費用はかかりません。ただ相続放棄をするかどうか適切に判断するためには専門的な知識が必要です。相続放棄をする場合には、費用をかけてでも相続の専門家に相談することをおすすめします。

長年相続問題に取り組み様々な事案を扱ってきた当事務所であれば、相続放棄の手続きはもちろんのこと相続に関する幅広いサポートが可能です。生前の相続対策から相続開始後の手続きまで、相続でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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この記事の監修
司法書士・行政書士事務所リーガルエステート 代表司法書士
斎藤 竜(さいとうりょう)


司法書士法人勤務後、2013年独立開業。
司法書士としての法律知識だけではなく、「親子の腹を割った話し合い、家族会議」を通じて家族の未来をつくるお手伝いをすることをモットーに、これまでに400件以上の家族信託をはじめ、相続・生前対策を取り組んでいる。年間60件以上のセミナーを全国各地で行い、家族信託の普及にも努めている。

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