家族信託の手続きで失敗しないやり方とは?開始から終了までの流れ、費用、注意点を詳しく解説

今、家族信託が「ご家族がご本人に代わり、契約に定めた内容の中で自由に資産の管理・運用をすることができるようになる制度」であり、認知症対策として非常に注目されています。

「家族信託」という言葉を何度か聞いたことがある方もいるでしょう。社会問題である認知症対策、空き家対策としてテレビやメディアで取り上げられるようになったからです。今、もしかしたら少し家族信託導入を検討したいとお考えの方もいるかもしれません。しかし、そう思ってみても、「じゃあ、どのように手続きが進んでいるの?」「やり方はどうなっているの?」と疑問に思う方が多いでしょう。相談の際に、よく質問される内容も含めてこれから明確にしていきたいと思います。

今回の記事のポイントは下記のとおりです。

  • 家族信託は、大きく分けると①家族信託の開始、②家族信託の期間中、①家族信託の終了手続きの3つがある
  • 家族信託を開始する場合、家族信託の内容決定から契約書作成、口座準備、信託登記、そして信託契約後の事務手続きがあり、すべての手続きが終わるまでに1ヵ月半~3ヵ月ほどかかる
  • 家族信託期間中では、信託財産の管理運用業務のほか、受益者に対する報告や追加信託などの事務が発生する
  • 家族終了事由が発生してもすぐには信託は終了せず、清算受託者による清算手続きを経て、信託契約で定めて帰属権利者に残った信託財産が帰属する
  • 全ての家族信託手続きにおいて専門的な知識や経験が必要なため、家族信託の実績がある専門家と相談しながら進めていくべき

今回の記事では、家族信託の開始から終了にいたるまでの手続きの流れと失敗しないやり方、注意点について解説します。

1.家族信託の仕組み

家族信託とは委託者と受託者、受益者の関係を決め、「委託者の財産に関するさまざまな権利を受託者へ任せる」という契約を家族間で結ぶことです。

概  要
委託者 自分の財産を受託者へ信託して管理・運用を任せる人
受託者 委託者から信託された財産の名義人になって実際に管理・運用を行う人
受益者 受託者の管理・運用によって発生した利益を受け取る人

 

そして、家族信託とは資産を持つ人(委託者)が、自分の老後の生活や介護などに必要な資金・不動産の管理などを、信頼できる家族(受託者)に託して本人(受益者)のために管理や処分を任せる仕組みです。信頼できる家族等に託すので、家庭裁判所等の監督を介する必要はありません。そして、成年後見人等の高額な報酬は発生しません。

成年後見制度は意思判断能力がなくなってしまった本人を保護することが目的のため家庭裁判所の監督の下で行われます。一方で家族信託は、元気なときに財産を持っている本人の意思で信頼する受託者に託するため、家庭裁判所を介在することなく財産管理を行うことができます。

2.家族信託の開始手続きと注意点

「家族信託を検討したい」と考えると、家族信託を開始するためのスケジュール感や進み方が気になると思います。どのくらいの期間が必要なのか、どんな書類が必要になってくるのか。イメージができなければ、家族信託を導入するかどうかも考えられないでしょう。

家族信託開始に必要な、基本的な工程は主に下記の6つです。

  • 家族信託の内容を決める
  • 家族信託の依頼先を決める
  • 信託契約書を作成する
  • 金銭管理用口座を準備する
  • 不動産については信託登記をする
  • 信託財産を管理するための事務手続きをする

それぞれ、非常に重要な工程になります。資産や不動産をお持ちの本人(委託者兼受益者)の認知症の症状の度合いで、緊急性が高いのか、じっくり考えるのかでも対応が異なってきますので、これらすべてを行うのに、個人差があり、だいたい1か月半~3ヵ月程度の時間がかかります。

家族信託開始までの9つのステップ

2‐1.家族信託の内容を決める

家族信託で一番重要な工程は、この「家族信託をどのように内容に設計するか」という全体像の設計部分です。

家族信託は、自由に契約内容を決められます。ですから、家族関係や財産状況に応じて、しっかりと一つひとつ設計する必要があります。また、導入を検討されるのであれば、本人と受託者との間だけではなく、家族、関係者との話し合いが不可欠です。

家族間で、家族信託の仕組みに対する同程度の理解や家族それぞれの希望を共有することで、円満で安心の財産管理体制をつくることができます。それができないと、逆に家族信託は成立しません。ですから本人と家族それぞれの「想い」を理解するために、家族会議をするところから始めていきます。

  • 家族信託を実施する目的は何か
  • 今後の財産管理をどのように家族に任せていくのか
  • どの財産を家族信託するのか
  • 受託者に何を任せるのか
  • 家族信託をいつ終了するのか
  • 誰に資産を帰属させるのか

上記について本人の希望、家族の希望をヒアリングして、今後どうしていきたいのかを親と子供、関わる親族でしっかりと話し合いします。その場では家族信託も選択肢の一つです。生前対策には「遺言」「生前贈与」「成年後見制度」と様々な制度を活用することができるので、希望をどう実現するのかを多くの選択肢の中から考えていきます。

家族信託を実施する目的は何か

家族信託を考える際、一番最初にすべきなのはその目的を明確にすることです。目的としては下記のようなものがあります。

  • 本人の生活費などを支出できるよう預貯金を管理する
  • 将来の施設入居に備えて自宅を売却できるようにする
  • 将来、家族が揉めないよう資産の承継先を決めておく
  • 本人亡きあとの配偶者や障害ある子が生活できるような環境を整えておく
失敗しないやり方:家族信託の目的を明確にする

家族信託を成功させるための最初のステップは、その「目的」を明確にすることです。
目的がはっきりしていないと、どのような信託契約を結ぶべきかが曖昧になり、結果的に家族信託で実現したい具体的な目的達成に繋がらない可能性が高まります。例えば、本人の生活費の管理、施設入居に備えた自宅の売却、資産の承継先の確定など、目的によって契約の内容が大きく変わる場合があります。

この目的設定は、単独で行うよりも家族全員で話し合いをすることが重要です。家族それぞれがどのような期待や懸念を持っているのかを共有することで、目的が明確になり、その後の手続きもスムーズに行えるでしょう。目的が明確であれば、それに応じた専門家を選び、適切な契約内容を設計できます。不明確な目的設定は、後になって手続きの修正や追加が必要になるなど、無駄な時間と費用をかける原因ともなり得ます。

当サイトでは、どんな形で預金や不動産を家族だけで管理できる仕組みを作ることができるか、無料相談が可能です。累計4000件を超える相続・家族信託相談実績をもとに、専門の司法書士・行政書士がご連絡いたします。

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財産管理をどのように家族に任せていくのか

家族信託においては、「委託者」、「受託者」、「受益者」という三つの主要な役割のほか、信託した財産が最終的に帰属される「帰属権利者」本人をサポートするために「受益者代理人」「信託監督人」「後継受託者」などの第三者が存在します。

失敗しないやり方:長期にわたる家族信託では第三者を設置する

長期間の家族信託を継続することが想定される場合には、受託者が先に死亡する、判断能力を失うなど管理ができなくなった場合に備えて、予備的な受託者(後継受託者)を定めておくことが必要です。また、長期にわたって受託者の業務が適切になされているか監督するために信託監督人をつけるケースや、受益者が行うべき信託契約の変更や受託者の解任といった手続きを受益者以外の者ができるように受益者代理人を決めておくといったことも検討します。

家族信託は、最低限、「委託者」「受託者」「受益者」「帰属権利者」を定めておけばスタートできますが、家族のうち誰を役割を担ってもらうのか、後継受託者など第三者を置く場合には誰が担うのか、役割を配置しておきます。

どの財産を家族信託するのか

家族信託を設定する際には、どの財産を信託に組み込むかという点が重要です。
この選択は家族信託の目的と密接に関わっています。例えば、老後の生活費確保が目的ならば、金銭などの金融資産、例えば、将来の施設入居に備えて自宅を売却できることを目的するなら、金銭のほか、自宅を信託財産とすることが考えられます。また、相続対策も含めた資産の承継を考慮する場合、アパートや株式も信託財産に含めることが多いでしょう。

家族信託をすると、本人の財産は「信託財産」と「信託財産以外」の二つに財産が分かれます。信託財産とは、受託者が管理・運用を行う財産を指します。一方で、信託財産以外とは、信託には組み込まない、もしくは組み込めない財産です。

信託できる財産には現金、預金、株式、不動産、債券、貴金属、美術品などがあります。一方、信託できない財産としては、年金や農地が該当します。年金は受給者が特定されており、信託による管理は法的に制限されています。農地に関しては、所有と使用に多くの法的制約があるため、信託の対象とすることが一般的には困難です。

この選定過程は非常に重要で、信託財産の選び方一つで信託契約の内容がかわっていきます。家族信託の目的に合った信託財産を選ぶことで、よりよい家族信託が実現できるでしょう。家族内でしっかりとこの問題を話し合い、明確な方針を設定することが求められます。

失敗しないやり方:身上監護はどうするか検討する

家族信託は主に財産管理に特化した制度ですが、よく誤解されるのが「身上監護」についてです。家族信託の枠組みでは、受託者が管理できるのは信託された財産のみです。そのため、日常生活や健康に関わる「身上監護」はこの範囲外です。

ただし、受託者が本人に近い近親者、例えば子供であれば、多くの施設や医療機関は日常のケアや手続きに対しても協力的に対応してくれるケースが多くあります。しかし、遠い親戚や血縁関係のない人が受託者の場合、身上監護が必要になった際には問題が生じる可能性が高いです。

このようなリスクを避けるためには、任意後見制度や成年後見制度を家族信託と併用することを検討しましょう。これらの制度では、後見人が生活全般に関する法的手続きも代行可能です。家族信託の限界を理解し、必要ならば後見制度と組み合わせることで、失敗しない家族信託を設計することが重要です。

受託者に何を任せるのか?

家族信託において受託者の役割は重要です。受託者は信託された財産の管理と運用に関わります。
これには、本人のための生活費や不動産の修繕費用、必要な税金の支払い、そして重要な資産処分など、信託の目的と契約内容で定めた権限に基づき、行動します。

受託者の役割は信託契約によって異なります。たとえば、老後の生活費確保が主な目的であれば、受託者は本人の日常生活費に関する管理を担当することが多くなり、アパートなどの資産管理を目的とするのであれば、入居者への対応、大規模修繕などを担当することになります。

失敗しないやり方:受託者選びと権限の設定

家族信託では、適切な受託者の選び方とその役割分担が非常に重要です。
受託者の信頼性や経験が求められます。生活費の管理であれば本人の生活環境に近い場所に住む家族が担えばよいですが、収益物件があるなど財産が複雑である場合や法的な手続きが多い場合は、専門と経験を考慮して受託者候補者を選ぶ必要があります。

また、何を受託者に任せるのかを明確にしておくことで、後のトラブルを防ぐことができます。この部分は、信託契約書にしっかりと記載しておくことが望ましいです。どのような行為ができるのか、そして、場合によっては他の家族の同意がなければできないなど、一定の行為について制限を加えることも必要です。

受託者の役割と責任を明確にすることで、家族信託の目的をしっかりと達成することができます。

家族信託をいつ終了させるのか

家族信託はどこかの時点で終了させる必要があります。
この「どこで終了させるのか」という点は非常に重要な要素です。多くの場合、信託は「委託者兼受益者(親)の死亡まで」と設定されますが、特定の状況に応じて、例えば「父及び母の死亡」までとするなど、柔軟に期間を設定することが可能です。

信託の終了事由も自由に設定でき、例えば「受益者が死亡するまで」「受益者及び第二受益者が死亡するまで」や「受託者及び受益者の合意」など、目的や家族の状況に応じて適切な期間と終了条件を設定できます。

一族の財産を次世代に承継させる目的で「受益者連続型信託」を設定する場合は、父から母、子、孫と何代にもわたって信託を継続させることもできます。ただし、信託開始から30年経過後は次の代への継続は1回しかできなくなってしまうので注意が必要です。

失敗しないやり方:適切な期間と終了条件の設定

長期にわたる家族信託は家族信託スタート時の家族の状況、法的な要素、また信託財産の運用状況などが変わる可能性があり、リスクが伴います。そのため、期間設定には十分な検討が必要です。

例えば、父の財産管理を目的とするのであれば、父の死亡時を終了時期にすれば十分です。しかし、信託した財産を父と母のために使うのであれば、父及び母の死亡時が終了時期となります。このように家族信託の終了時期は、家族の状況や信託の目的に密接に関わります。

逆に家族信託が長すぎると、受益者の相続が発生してしまい、利害関係人が多く増えてしまうことにもつながっていまいます。そのため、信託契約を締結する際には、終了時期もしっかりと設定しておくことが推奨されます。これにより、家族の状況や法的環境が変わった際にも柔軟に対応できます。

信託の目的、家族の状況、そして法的な制約をしっかりと考慮した上で、最も適切な期間と終了条件を設定することが、家族信託を成功させるための鍵となります。

誰に資産を帰属させるのか

家族信託が終了した際、信託財産はどのように帰属するのか、これを明確に決めておきます。
一般的に、家族信託は「委託者兼受益者の死亡」によって終了します。その後の信託財産は、信託契約で事前に定めた「帰属権利者」に帰属します。

また、定め方も柔軟に定めることができます。特に定めなければ、全ての財産が特定の帰属権利者に丸ごと帰属しますが、自宅は長男、金銭は次男というように財産ごとに帰属先を指定することもできます。どのように資産を承継させるのか、決めておきましょう。

失敗しないやり方:帰属権利者とその予備候補者を定める

信託終了時の資産承継については、帰属権利者とその予備的な帰属権利者候補を設定しておくことも重要です。
このようにして事前に全てを明確にしておくことで、万が一、帰属権利者が本人よりも先に死亡した場合でも、信託終了時にスムーズに資産承継ができます。予備的な帰属権利者を定めておくことで、資産承継についての家族間での紛争やトラブルを避けることが可能になります。

信託契約の締結に際しては、これらの要素をしっかりと検討し、必要であれば専門家のアドバイスを求めることが推奨されます。

2‐2.家族信託の依頼先を決める

家族信託を設定する際、専門的な知識と経験が必要です。依頼先としては、司法書士、行政書士、弁護士、税理士などが考えられますが、それぞれの職域と役割が異なります。

司法書士、行政書士、弁護士は法的なアドバイスが専門分野ですが、税務は専門分野外です。また、税理士は税務のプロですが、法的なアドバイスには限界があります。

依頼先を選ぶポイントとしては、家族信託の目的と合った専門性と信頼性を持つことが重要です。具体的には、家族信託の設定経験が豊富で、信託法に関する専門的な知識を持つこと、専門分野外である法務、税務についても理解があること、そして何より信頼できるかどうかが決定的な要素となります。

失敗しないやり方:自分一人で家族信託をやらずに専門家に依頼する

家族信託の設定は法律や税制、資産管理に関する専門的な知識が必要なため、専門家に依頼することが推奨されます。自分で行う場合、契約内容の誤りや税制の変更への対応が難しく、将来的に重大な問題を引き起こす可能性が高まります。また、家族信託は家庭の状況や目的に応じてカスタマイズする必要があり、そのための適切なアドバイスやアフターケアも専門家から受けられます。

専門家には潜在的なリスクや問題点を事前に指摘してもらい、トラブルを未然に防ぐことができます。このように、家族信託の手続きにおいては、専門家の協力を得ることで、多くのリスクを回避し、より安全かつ効率的な手続きが可能になります。

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2-3.信託契約書を作成し、委託者及び受託者間で締結する

信託契約書作成手続きの工程を具体的にみていきましょう。

信託契約書の内容を決める

家族で決めた家族信託の下記の内容を依頼した専門家に伝え、具体的な信託契約書の条項に盛り込んでもらいます。

  • 家族信託を実施する目的は何か
  • 今後の財産管理をどのように家族に任せていくのか
  • どの財産を家族信託するのか
  • 受託者に何を任せるのか
  • 家族信託をいつ終了するのか
  • 誰に資産を帰属させるのか

信託契約書に落とし込む中で、専門家のアドバイスを取り入れながら家族信託の内容を一部見直しをしていき、より良い形にしていきましょう。家族の希望にそった信託契約書案を作成し、契約書に委託者と受託者の印鑑を押して、作成手続きを行います。

信託契約書の様式を選択する

信託契約書の作成の様式としては、公正証書で作成する方法と私文書(パソコン)で作成する方法の二つがあります。

公正証書で作成する

家族信託を公正証書で作成するのは一般的な方法です。特に以下のようなメリットがあります。

  • 本人の判断能力の確認
    公証人が関与するため、信託契約が本人の判断能力と意思に基づいてなされているか確認されます。
  • 信託口口座の開設が可能
    金融機関の要件として、公正証書でなければ、後述する信託口口座を開設できないとしていることが多くあります。

公正証書で作成する場合、以下の書類が一般的に必要です。公正証書を作成するときまでに用意しておきます。

  • 委託者及び受託者の住民票
  • 委託者及び受託者の印鑑証明
  • 委託者及び受託者の実印
  • 委託者及び受託者の身分証明書
  • 信託財産の資料(不動産登記事項証明書、評価証明書など)
私文書で作成する

私文書で家族信託契約書を作成する方法もあります。

公正証書作成手数料を節約することができますが、私文書で作成した場合、もし後々紛争が起こったときに、その文書が本当に契約者本人の意思に基づいて作成されたのかを証明するのは一般に難しいです。また、公証役場での保管がないため、紛失や盗難に遭った際のリスクは避けられません。そして、多くの金融機関では、私文書の信託契約に基づいて信託口口座を開設することができないため、長期にわたる信託財産の管理が困難になる場合があります。

失敗しないやり方:公正証書で信託契約書を作る

私文書で信託契約を行った場合、後述する信託口口座を開設できず、受託者の個人の口座で金銭を管理することになります。短期の家族信託であれば問題ないかもしれませんが、長期間の家族信託の場合、リスクがあります。

信託契約公正証書でなければ、後述する信託口口座を開設できません。私文書での作成は便利である一方で、信託口口座が開設できず、長期にわたる財産管理におけるリスクと向き合う必要があります。

公正証書での作成は初期費用がかかるものの、その後の安全性や信頼性が非常に高いため、中長期の家族信託を検討するのであれば、失敗しないためにも公正証書での作成がおすすめです。

2-4.金銭管理用口座を用意する

信託した金銭を管理するために受託者名義の管理用口座を用意します。
信託契約をしても受託者は委託者の口座を管理できるわけではありません。受託者名義の管理用口座に信託契約で定めた金銭相当額を委託者が送金することで、金銭の管理ができるようになります。

受託者が管理する口座として選択肢としては、信託口口座と信託専用口座の2つの方法があります。

信託口口座

信託口口座は特定の金融機関でしか作成できませんが、家族信託に対応した特別な口座です。
ほとんどの金融機関では公正証書で作成した信託契約書であることを条件としています。受託者が破産した場合や死亡した場合でも、受託者個人の財産ではないため、信託口口座内の資産は適切に管理を継続できます。

ただし、特別の口座であるため、金融機関によっては信託した金銭額、ネットバンク利用制限など通常の口座とは異なる取り扱いをしていることが多いので、提供する口座サービス内容を事前に確認しておくとよいでしょう。

信託専用口座

一方、信託専用口座は、受託者個人名義の口座です。受託者の個人名義の口座のなかから、使用していない口座を管理用口座として用意して、その口座の中で委託者から信託した金銭を管理します。あくまで、通常の口座であるため、インターネットバンク等の通常の口座と同様のサービスを利用できます。

失敗しないやり方:信託口口座で金銭は管理する

信託専用口座は受託者個人の口座として取り扱われるため、受託者が破産した場合、信託財産は受託者個人の財産と同様に取り扱われます。また、受託者が先に死亡した場合も受託者の個人の相続財産として金融機関で取り扱われてしまいかねません。

このように、中長期にわたる家族信託を検討する際は信託口口座がおすすめです。

2‐5.信託した不動産について信託登記する

不動産を信託財産とする際は、「所有権移転登記」と「信託登記」が必要です。
これは不動産の所在地を管轄する法務局で手続きを行います。この登記により、不動産の名義が受託者に名義変更されて、信託した不動産について管理権限が受託者に移ることが公に示されます。

信託登記に必要な書類

信託登記に必要な書類には、下記の書類が必要です。詳細は登記を依頼する司法書士又は法務局で確認します。

  • 固定資産評価証明書
  • 不動産の権利書(登記済証)または登記識別情報
  • 登記原因証明情報(信託契約書の内容をまとめたもの)
  • 信託目録に記載する情報
  • 委託者の印鑑証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)
  • 受託者の住民票
  • 委託者の実印と受託者の認印

信託登記の内容

信託登記の主要な項目は不動産登記法で定められており、信託の目的や財産管理方法などが含まれます。これは一般に公開されるため、何を登記するかは慎重に考える必要があります。特に誰に財産を渡すのかという、帰属権利者や第二受益者以降の後継受益者、予備的な帰属権利者、後継受託者など多くの項目を信託契約書で定めるので、どこまで個人情報を登記するかは検討が必要です。

失敗しないやり方:信託登記は実績がある司法書士に依頼する

信託登記の必要書類には固定資産評価証明書、権利書、信託契約書などがあり、これらは事前に整える必要があります。特に専門的な知識が求められるため、司法書士に依頼するのがおすすめです。

家族信託の相談先は、司法書士のほか、行政書士、弁護士、税理士、金融機関、相続コンサルタントなど多くありますが、信託登記は多くの詳細に注意が必要です。司法書士に相談すればトータルで対応してもらえますが、司法書士以外に相談する場合には、信託登記に詳しい司法書士を自分で探すか、相談している専門家に司法書士を紹介してもらいましょう。特に家族信託では、財産管理や相続に関わる多くの要点があるため、家族信託の経験豊富な司法書士に依頼することが賢明です。

2‐6.家族信託運用開始のための事務手続きをする

信託契約書を作成後は、受託者としての財産管理業務が始まります。管理用口座の準備、不動産の名義変更の他に、必要な手続きは下記の通りです。

信託金銭を信託管理用口座に振り込む

専用の信託金銭管理口座を開設したら、次に行うべきは信託する金銭をこの口座に入金することです。
この手続きが完了しないと、信託の運営は正式に始まりません。委託者が指定の口座に資金を送金することで、受託者は財産の管理に着手します。

公共料金の口座振替手続き

信託財産の管理用に開設した専用の預金口座を使用して、例えば水道料金や固定資産税の支払いを行う場合、関連するサービス提供者に連絡して口座振替の設定を行います。

不動産の火災保険名義の確認

信託に不動産が含まれる場合、火災保険の名義人が変更する必要があるかもしれません。名義の変更が必要かどうかは保険会社に確認し、必要な書類や手続きについても調査します。

収益物件の入居者への通知

もし信託財産に収益物件が含まれる場合、賃借人に新しい賃貸人(受託者)が誰であるか、また振込先がどこであるかなどの情報を提供する必要があります。

失敗しないやり方:信託契約後、速やかに事務手続きを開始する

信託契約が作成された後、安心してしまい、その後の手続きをしないでいるといったケースがあります。しかし、そのような状態が続いてしまうと、委託者が何らかの理由で判断能力を失ってしまった場合に問題が発生する可能性が高まります。

特に金銭については、委託者自らが判断能力を持っている間に、受託者が用意した信託金銭管理口座に必要な資金を速やかに送金することが重要です。判断能力が失われた後では、口座解約や送金手続きができなくなってしまう可能性があります。その結果、信託財産の適切な管理ができなくなってしまう恐れがあります。送金作業のほかにも、委託者の協力がないとできない手続きもあるので注意が必要です。

家族信託の運用に必要な手続きを速やかに開始することで、多くのリスクを未然に防ぐことができます。信託契約が成立したら、速やかな手続きと運用の開始をしていきましょう。

3.家族信託の開始手続きに必要な費用と税金

ここで、家族信託の手続きに必要な費用についてみていきましょう。

3-1.家族信託を行う際に必要な費用

まず、自分で手続きをしてもかかる費用(実費)としては、①公正証書作成費用(費用相場:3.3~11万円)②信託登記にかかる登録免許税(費用相場:固定資産評価額の0.3~0.4%)があります。
このうち、信託登記にかかる登録免許税については、次項「家族信託の手続き時に関わる税金」で解説します。

公正証書作成費用については下記の表をご確認下さい。

信託契約書を公正証書化する際の費用

引用元:日本公証人連合会HP

次に、専門家へ依頼する場合にかかる報酬費用は、①コンサルティング報酬(報酬相場:信託財産評価の1.1%程度)②信託契約書作成報酬(報酬相場:11~16.5万円)、③信託登記報酬(報酬相場:11~16.5万円)の3つがあります。

コンサルティング報酬は、下記のように信託財産評価額の1.1%(最低33万円)程度から始まる従量課金としているところが多いようです。

財産の価格 費用(税込)
1億円以下の部分 1.1% (最低33万円)
1億円超3億円以下の部分 0.55%
3億円超5億円以下の部分 0.33%
5億円超10億円以下の部分 0.22%
10億円超の部分 0.11%

費用について詳しくは下記の記事で解説していますので確認してみてください。

3-2.家族信託の手続き時に関わる税金

家族信託スタート時に支払う税金は信託契約の準備段階にかかるもので、信託財産である不動産の名義変更、すなわち、法務局での所有権移転登記にかかる登録免許税が必要になります。

金銭や株など金融資産を信託財産としても登記手続きなどは必要ありません。そのため、登録免許税はかかりません。不動産と金銭を併せて信託財産とした場合には、不動産の所有権移転登記申請時に法務局に納める登録免許税だけがコストとしてかかります。

不動産を信託財産とする信託契約では、信託財産について委託者から受託者に所有権の移転登記が必要です。不動産の場合は法務局で信託登記を行う必要があります。そして、信託した事実が登記簿に反映されます。
その際の登録免許税の費用は以下のとおりです。

土地=固定資産税評価額×0.3%(令和8年3月31日まで、以後は0.4%)
建物=固定資産税評価額×0.4%

また、家族信託の開始時に関わる税金を考える際には、自益信託と他益信託を理解する必要があります。

まず、自益信託とは、財産管理を託す委託者と受益者を同一人とした場合の家族信託を指します。

財産管理を託した委託者自らが受益者となります。自分のための財産の利用にあたるので自益信託では贈与税などの税務の負担はありません。

委託者自らが受益者となる自益信託に対し、委託者以外の第三者が受益者となるケースを他益信託といいます。他益信託が想定される事例としては次の2点があります。

生前から本人の財産を配偶者のために使ってもらうために子供に財産管理を任せるケース、障害がある子のために親の財産管理をほかの子供に託すといったケースです。

このケースでは、信託財産から利益を受ける受益者という権利を、財産管理を託した父以外の母が受けるため、父の権利が信託契約を通して母に贈与されたものとみなされます。そのため、受益権の価格(信託財産の評価額)に対して贈与税が課税されてしまいます。

このように委託者と受益者を同一人にするか、第三者にするかによって家族信託契約開始時にかかる税務の取り扱いが異なるので注意する必要があります。

4.家族信託期間中の手続きと注意点

信託契約期間が始まると、本人とご家族で相談しながら管理・運用・処分を検討して対応していきます。期間中に想定される事務手続きとしては下記があります。

4‐1.信託財産に関する契約

信託期間中に委託者本人が実家を離れ施設に入居する場合など、信託不動産を売却するといったことも想定されます。

受託者の肩書を明記し契約を行う

受託者が信託財産に関する契約を締結する際、その契約は受託者の個人間の契約ではないことを明示する必要があります。受託者の行う契約は信託財産を対象としており、受託者自身の財産には影響を与えません。この違いを明確化するために、契約文書や関連する書類には受託者の名前に肩書をつけて「受益者△△、受託者○○ ㊞」といった形での記載が必要です。

肩書の明記が求められるケース

例えば、不動産の購入や販売、賃貸契約、さらには金融商品の取引など、信託財産に影響を及ぼす可能性のあるすべての取引でこのルールが適用されます。これにより、万が一のトラブルや誤解が生じた場合でも、契約書に明記しておくことで受託者個人の財産と信託財産とが混同されるリスクを最小限に抑えることが可能です。

4‐2.信託財産を追加する

信託財産は、初めて信託契約を結んだ際に定めた財産だけでなく、その後に受託者が管理や処分を通じて得た資産(例えば、アパートからの家賃収入や自宅の売却益など)が対象です。

しかし、場合によっては信託期間中に当初信託した財産では生活費を賄いきれない、家族信託した財産管理の範囲を広げたいということが発生することもあります。このような場合には、信託期間中に委託者が新たに追加したいと考える財産を信託財産に含めることが可能です。このような行為を「追加信託」といいます。

追加信託の方法

追加信託は基本的に契約行為であり、そのためには委託者と受託者双方の合意が必要です。

追加信託する方法は、信託契約書に定めがあれば、定めた方法、定めがない場合には、委託者と受託者が追加信託契約書を作成し行います。委託者が何らかの理由で(例:認知症などによる)判断能力を失っている場合、追加信託は行うことができません。追加信託には双方の合意が必要な契約行為であるため、委託者の健康状態と判断能力を考慮して早めに手続きを行うことが重要です。

4‐3.書類を作成保管し、受益者に対する報告を行う

家族信託には、裁判所への報告義務が必要ありませんが、財産の管理状況を受益者に対して報告する責任があります。受託者は、信託期間に下記の書類を作成し、保管します。

  • 信託帳簿
  • 信託業務の手続き文書
  • 信託資産の状況報告書

具体的な作業としては、信託帳簿には現金の出入りを記録する現金出納帳や家計簿を作ります。
生活費の管理目的の家族信託であれば、通帳を利用して余白に何に信託された金銭を使用したのか明記する方法でも構いません。また、信託財産で何かを購入した場合には、その取引に関する契約書、領収書、レシート等を確実に保管します。受益者から閲覧を求められた時には、書類を提示やコピーを交付できるようにしておきましょう。

4‐4.家賃収入のあるアパートを運営する場合

家族信託を活用する一つの理由に、親の認知症期間の収益性のある賃貸物件の管理を考えている方も多くいると思います。入居者との賃貸借契約の締結、修繕手配などの賃貸物件の運営に伴う手続きはすべて受託者が行うことになります。

ここで重要なのは、アパートの収益について「計算書類の作成」が必須となってきます。もともとは、委託者が行っていたことですが、収支計算も受託者が責任をもって管理することになります。信託の場合、毎年1月31日までに税務署に「信託の計算書」を提出する必要があります。ただし、収益の額が3万円未満の場合は、信託の計算書の提出は不要です。

4‐5.失敗しないためのやり方:専門家のアフターフォローサービスを利用する

信託契約が一度結ばれた後も、実際の運用や管理には多くの手続きが必要です。特に、家族信託は法的・税制上の複雑な問題や法改正が絡む場合、専門家のアドバイスが不可欠です。

家族信託の専門家によっては、アフターフォローサービスがなく信託契約手続きだけのサポートをしている場合があります。相談先の専門家が家族信託後のアフターフォローサービスを提供しているのか、そのサービスの料金やサービス内容はどういったものがあるかという点も確認しておきましょう。特に中長期にわたる家族信託においては、専門家との継続的な相談環境をつくっておくことが必要です。

当サイトでは、家族信託契約後のアフターフォローサービスを提供しており、家族信託の内容や契約書作成のサポートも含めたトータルの相談が可能です。

家族信託、成年後見制度の活用など、ご家族にとってどんな対策が必要か、何ができるのかをご説明いたします。自分の家族の場合は何が必要なのか気になるという方は、ぜひこちらから無料相談をお試しください。

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5.家族信託が終了後の手続きと注意点

信託の終了事由が発生しても、信託はその時点ですぐに終了するわけではありません。この段階で受託者は「清算受託者」と呼ばれ、いくつかの手続きを経て、最終的に残余財産を帰属権利者に引き渡します。

5‐1.清算受託者が行うべき業務

清算受託者が行う業務は下記の通りです。

  • 現務の結了
  • 債権、債務の清算
  • 残余財産の給付
  • 清算事務の計算書類作成と承認

具体的な手続きとしては、家族信託が関わる全ての現行業務を終了させます。
信託管理用口座を解約し、信託財産に関連する債務があれば、それを信託財産から弁済します。口座解約については、金融機関ごとにルールが異なる可能性があるので、事前に確認が必要です。そして、最終的に残余財産を信託契約で定めた帰属権利者に引き渡します。

清算事務が終了した後は、計算書類を作成し、受益者や帰属権利者からの承認を得る必要があります。1か月以内に異議が出されない限り、計算は承認されたものと見なされます。

5‐2.信託終了時に不動産があれば、登記が必要

信託財産の中に不動産が含まれている場合、その登記手続きが必要です。家族信託をすると信託不動産は受託者名義で登記され、信託登記もされます。

信託終了後の不動産は、信託契約に従い帰属権利者に所有権として引き渡されます。この際には、受託者から帰属権利者への名義変更登記と信託抹消登記が必要となります。

例えば、受託者が長男のケースで「受益者父の死亡」を信託終了の事由とし、帰属権利者を母と定めた場合、次のような手続きが必要です。

  • 母(帰属権利者)と長男(受託者)で所有権移転登記の共同申請する
  • 信託登記は、長男(受託者)が抹消する

この所有権移転登記と信託抹消登記を同時に申請することで、信託不動産は最終的に帰属権利者である母単独の財産となります。

5‐3.失敗しないためのやり方:実績のある専門家のサポートを受ける

2023年8月時点で家族信託が終了する際の不動産の名義変更手続きの一部はまだ明確でありません。特に、受託者を信託不動産の権利帰属者とした場合の登記手続きについて、法務局間で取り扱いが一貫していないのが現状です。

また、2022年12月20日、東京国税局から示された文書回答事例により、家族信託終了後に帰属する不動産が「相続空き家特例」の対象外となることが明らかにされました。この「相続空き家特例」とは、亡くなった人の空き家を相続や遺贈により取得し、その後、耐震リフォームや取り壊しを行い、物件を売却した場合に、その売却収入から3,000万円を特別控除できる制度を指します。

このように家族信託はまだ、信託終了を迎えた案件が少ないので、一部の手続きにおいて取り扱いが未定のものがあります。そのため、家族信託開始の手続きのみならず、信託終了後の手続きについても経験が豊富な専門家と相談しながら仕組みづくりをしていくことが必要です。

当サイトでは、ご家族の財産管理について、家族信託の組成が適しているか、それともほかの生前対策が良いか無料相談が可能です。累計4000件を超える相続・家族信託相談実績をもとに、専門の司法書士・行政書士がご連絡いたします。

家族信託の手続について、注意点をおさえながらご家族に合った手続きを分かりやすくご説明いたします。気になるという方は、ぜひこちらから無料相談をお試しください。

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6.動画解説|家族信託の進め方とスケジュール

6.まとめ

  • 家族信託は、大きく分けると①家族信託の開始、②家族信託の期間中、①家族信託の終了手続きの3つがある
  • 家族信託を開始する場合、家族信託の内容決定から契約書作成、口座準備、信託登記、そして信託契約後の事務手続きがあり、すべての手続きが終わるまでに1ヵ月半~3ヵ月ほどかかる
  • 家族信託期間中では、信託財産の管理運用業務のほか、受益者に対する報告や追加信託などの事務が発生する
  • 家族終了事由が発生してもすぐには信託は終了せず、清算受託者による清算手続きを経て、信託契約で定めて帰属権利者に残った信託財産が帰属する
  • 全ての家族信託手続きにおいて専門的な知識や経験が必要なため、家族信託の実績がある専門家と相談しながら進めていくべき

家族信託の進め方やスケジュール感、手続きのイメージは以上の通りです。家族信託を実際に行おうと考えている方は、しっかりと設計を行う事。ここで、終わり方や終わった時の財産の引き継ぎ方についてを家族信託はすべて決められる制度です。

そのために家族会議の場をセッティングして、生前に家族で話し合いをし、両親からの想いや子供の想いを共有してストレスのない相続にしていきましょう。

この記事の監修
司法書士・行政書士事務所リーガルエステート 代表司法書士
斎藤 竜(さいとうりょう)


司法書士法人勤務後、2013年独立開業。
司法書士としての法律知識だけではなく、「親子の腹を割った話し合い、家族会議」を通じて家族の未来をつくるお手伝いをすることをモットーに、これまでに350件以上の家族信託をはじめ、相続・生前対策を取り組んでいる。年間60件以上のセミナーを全国各地で行い、家族信託の普及にも努めている。


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