相続放棄の必要書類を完全解説|書類入手、提出方法とは?

相続放棄は、相続を考える際に重要な選択肢の1つです。そして、選択したら相続開始から3か月以内に相続放棄を行う必要があり、一度しか申立てができません。ですから、相続放棄の手続きをしようと決めたら、正確な情報と適切な書類が不可欠です。

今回の記事のポイントは下記のとおりです。

  • 相続放棄を申し立てるために必要な書類は、誰が相続放棄するかによって用意する書類が異なるので注意が必要
  • 相続放棄の書類を郵送で申請する際は、到着確認ができるようなサービス(レターパック等)の利用を推奨
  • 3カ月の相続放棄の期限を過ぎた場合、別途上申書も併せて添付しなくてはならない
  • 相続放棄の申立ては一度きりなので、書類を書く際には正確かつ嘘のない回答が求められる
  • 手続き業務に強い司法書士ならば、書類の収集・作成から手続き完了まで代行可能

このブログでは、相続放棄を考えている方々に向け、必要書類の詳細をお伝えします。相続放棄に必要な書類が何か、それらをどのように入手し、提出するのか、ステップバイステップで分かりやすく説明するので、一つひとつ理解を進めてください。

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1. 相続放棄の必要書類の種類・取得方法・費用

相続放棄に取り組む前に、必要な書類について理解しておきましょう。これらの書類をご自身で準備する場合は、書類に抜けがないかしっかりとチェックが必要です。また、相続放棄の申立てで必要な書類は、誰が相続放棄するかで全く異なります。それぞれのパターン別にも解説するので、しっかりと確認しましょう。

裁判所によっては、提出する書類が変わることもあります。この記事では、一般的な相続放棄に関する必要書類を解説しますが、管轄の家庭裁判所にも事前に必要書類を確認することをおすすめします。

最高裁判所HP|各地の裁判所

1-1.共通する相続放棄の必要書類

相続放棄の申立てをする際、以下の書類は、誰の財産を相続するかに関わらず共通して必要となります。書類について準備する際はまず以下の書類から始めていきましょう。

①相続放棄申述書

相続放棄を行うためには、まず相続放棄申述書を提出する必要があります。この申述書には、放棄者(相続放棄する方)の基本情報や放棄の理由が記載されます。書式は、裁判所のHPからダウンロードすることができるので、費用はかかりません。

申述人情報(本籍地や住所、氏名、生年月日、被相続人との続柄)、被相続人情報(死亡年月日、被相続人の本籍地・住所)などを記載します。その際は、②③で取得した戸籍や除票を見ながら記入していきます。

相続の開始を知った日、相続財産の概略、放棄の理由等を記載する欄があるので、そちらは正確に書いていく必要があります。

申述書の書き方については以下の記事が参考になります。気になる方は確認してみてください。

②被相続人の住民票除票(戸籍附票)

被相続人の住民票除票(または戸籍附票)は、相続財産に関する情報を提供するために必要です。この書類は、被相続人の本籍のある市区町村の役所で取得できます。住民票除票取得の費用は、1通300円となります。

③相続放棄する方の戸籍謄本

相続放棄を行う申述人の戸籍謄本も提出しなければなりません。戸籍謄本には、申述人の身元情報が含まれています。こちらもご自身の本籍がある市区町村の役所で取得でき、取得費用は1通450円です。

④収入印紙

相続放棄申述書に必要な収入印紙は、税務署や郵便局、一部のコンビニエンスストアで購入できます。800円の印紙を用意しましょう。

⑤切手

相続放棄が受理されると、申述人に「相続放棄申述受理通知書」という書類が裁判所から送付されるのですが、この通知書を郵送してもらうために、切手を同封する必要があります。

通常、400~500円分の切手(80円切手5枚程度)を準備するのが一般的ですが、各家庭裁判所で必要な金額が異なることがあります。そのため、事前に家庭裁判所に問い合わせることをおすすめします。

また、手続きが終了した際に余った切手は、裁判所から返却されることになりますので、どの程度切手を入れたらよいのか不安な場合は、多めに入れてもよいでしょう。

1-2.配偶者が相続放棄する場合

配偶者が手続きする場合は、共通する書類で足りるでしょう。追加で必要な書類は「被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本」となっていますが、多くの場合、申述人である自分の戸籍を取得するとその内容も併せて記載されているからです。

1-3. 子や孫が相続放棄する場合

子が相続放棄する場合であれば、基本書類に加えて「被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本」のみ取得すれば可能です。

ただし、孫や曾孫などが相続放棄する場合には「被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本」も付け加える必要があります。孫や曾孫が相続権を持っていることを証明するために本来の相続人が亡くなっていることを証明する必要があります。

1-4. 父母・祖父母等が相続放棄する場合

父母や祖父母などの親族が相続放棄を行う場合、基本的に必要な書類の他に「被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本」を用意します。これは、戸籍で本当に戸籍上、子供がいないか、他に相続人はいないかを確認するために必要な書類です。

もし、亡くなっている子供や代襲者がいる場合には、その人の「出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本」が必要です。第二順位である子・代襲者の相続人がいないことをこの戸籍で証明します。

父母が亡くなっていて祖父母が相続放棄をする場合には、その父母の「死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本」が必要です。

1-5. 兄弟姉妹・甥姪が相続放棄する場合

被相続人の子供や孫、親・祖父母がいない場合、又は、これら全ての人が相続放棄をした場合に兄弟姉妹やその兄弟姉妹が既に亡くなっていれば甥姪が相続人となります。相続放棄するためには、基本書類の他に、以下の書類が必要です。

  • 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している人がいる場合は、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

また、相続放棄をする人が甥又は姪の場合は、その親(被相続人から見て兄弟姉妹)が死亡していることを証明するための資料として「被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本」を用意しなくてはなりません。

2.続柄別の相続放棄必要書類一覧表

パターン別に必要な書類をまとめました。入手方法等は第一章で解説した通りです。改めて一覧でも見直し、全ての書類が適切にあるかどうかチェックしましょう。

【相続放棄申述書に添付する書類】
被相続人の配偶者が相続放棄する場合
・被相続人の住民票除票又は戸籍附票(基本書類)
・相続放棄をする人の戸籍謄本(基本書類)
・被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
◇被相続人の子又はその代襲者(孫、曾孫等)が相続放棄する場合
・被相続人の住民票除票又は戸籍附票(基本書類)
・相続放棄をする人の戸籍謄本(基本書類)
・被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
・申述人が代襲相続人(孫、曾孫等)の場合は、被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
◇被相続人の父母・祖父母等(直系尊属)が相続放棄する場合
・被相続人の住民票除票又は戸籍附票(基本書類)
・相続放棄をする人の戸籍謄本(基本書類)
・被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
・被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している人がいる場合は、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
・被相続人の直系尊属に死亡している人(相続人より下の代の直系尊属に限る)がいる場合は、その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
◇被相続人の兄弟姉妹及びその代襲者(甥、姪)が相続放棄する場合
・被相続人の住民票除票又は戸籍附票(基本書類)
・相続放棄をする人の戸籍謄本(基本書類)
・被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
・被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している人がいる場合は、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
・被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
・申述人が代襲相続人(甥、姪)の場合は、被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

3.相続放棄書類の提出先と提出方法

相続放棄手続きを進める際に、正確な提出先と提出方法を把握することは非常に重要です。この章では、相続放棄書類の提出先と提出方法について詳しく解説します。

3-1.相続放棄書類の提出先

相続放棄書類を提出する場所は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所になります。この提出場所を正確に理解することが、手続きを円滑に進める鍵です。

重要なポイントは、相続人の住所を管轄する家庭裁判所ではなく、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に提出することです。提出先の家庭裁判所を特定し、正確な情報を持って手続きを進めましょう。

3-2.相続放棄書類の提出方法

相続放棄手続きは、相続放棄したい相続人またはその法定代理人が行います。手続きに必要な書類一式を用意しましょう。基本的に必要な書類は以下の通りです。

  • 基本的に必要な書類一式
    ①相続放棄申述書
    ②被相続人の住民票除票(戸籍附票)
    ③相続放棄する方の戸籍謄本
    ④収入印紙
    ⑤切手
    ⑥相続放棄申述者別に必要な書類(※第二章を確認)

これらの書類を用意したら、提出方法を選択します。提出方法には、以下の2つの選択肢があります。

家庭裁判所窓口に出向いて提出する

書類を持参し、手続きを行うために家庭裁判所に出向きます。

郵送で提出する

書類を郵送する場合は、到着確認ができるレターパックか書留郵便を使用することをおすすめします。これにより、書類が正確に届いたことを証明できます。特に期限を守るために、郵送方法には注意が必要です。

提出方法を選ぶ際は、手続きのスムーズさと安全性を考慮しましょう。裁判所との円滑なコミュニケーションを保つためにも、正確な情報を提供しましょう。

4. 相続放棄の期限を過ぎてしまった場合に必要な書類

相続放棄手続きは、特定の期限内に行う必要があります。しかし、期限を過ぎてしまった場合、相続放棄を請求するために「上申書」という特別な書類を作成する必要があります。

この章では、期限を過ぎてしまった場合の手続きについて詳しく解説します。上申書の書き方や注意点についても紹介しますので、必要な情報を正確に収集し、相続放棄手続きを進めるための準備を整えましょう。

4-1. 相続放棄の期限について

相続放棄の手続き期限は非常に重要です。通常、相続放棄の手続きは「被相続人が亡くなってから(相続の開始を知ってから)3カ月以内」に、申述書を家庭裁判所に提出する必要があります。この期限を守ることが、手続きを円滑に進める鍵です。期限を過ぎると、相続放棄の手続きが原則的に認められなくなります。

しかし、期間内に手続きが完了しない場合や、手続きが複雑で時間がかかる場合もあります。特に、財産の調査が難航したり、必要な書類の収集に時間がかかる場合には、3カ月以内に手続きを完了するのが難しいことがあります。

こうしたケースに対処するために、相続放棄の手続き期間を延長する「相続放棄のための申述期間伸長の申立て」があります。この申立てを家庭裁判所にすることで、手続き期間を延長できる可能性があります。ただし、延長が認められるかどうかはケースバイケースであり、必ずしも認められるわけではありません。しかし、この申立てを行うことで、十分な考慮期間を確保し、相続放棄の判断を慎重に行うための時間を得ることができるのです。

4-2. 期限過ぎた場合は「上申書」が必要

通常、相続放棄の手続きにおいて、上申書は必要ないことが一般的です。家庭裁判所の提供するフォーマットに従い、相続放棄申述書を作成し、提出すれば手続きは進行します。

ただし、特別な事情がある場合には、上申書の提出が求められることがあります。以下は、そのような状況の例です。

  •  3ヶ月の期間を経過してからの相続放棄
    通常の期限を過ぎて相続放棄をする場合、その理由を詳細に説明する必要があります。
  •  被相続人との関係が疎遠である等、特別な事情
    例えば、被相続人の死亡情報を遅く知った場合、その理由(疎遠であった、情報が届かなかった等)を上申書で説明する必要があります。
  •  最後の住民票が廃棄され取得できない、再転相続人による相続放棄など

上申書の書き方

上申書を自身で提出する場合は、上記の特別な事情について、具体的かつ明確に理由や根拠を記載する必要があります。例えば、「被相続人との関係が疎遠で、最近になって相続があったことを知った」や「債権者から督促状が届き、初めて被相続人に借金があったことを知った」などが該当します。上申書はA4サイズ1枚で提出可能です。

上申書作成の注意点

書類の内容が不十分な場合は、上申書は申述が受理されず、再提出もできません。不受理の場合、即時抗告が唯一の救済措置となります。そのため、上申書の作成は慎重に行う必要があります。自身で作成が難しい場合は、専門家に相談することをお勧めします。

弊所司法書士・行政書士事務所リーガルエステートでは、相続放棄に関するアドバイスや手続きのサポートを無料で提供しております。相続放棄に必要な書類の収集から申立書の提出代行まで、お気軽にお問い合わせください。

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5.申立て後に家庭裁判所から届く書類について

相続放棄の申し立てが完了すると、次に家庭裁判所から届く書類があります。この章では、申し立て後に届く「照会書」「回答書」や「相続放棄申述受理通知書」といった書類について詳しく解説します。また、特に「回答書」の書き方についての注意点にも触れていきます。家庭裁判所からの書類を正確に受け取り、適切に対応することが、スムーズな相続放棄手続きの重要なステップです。

5-1.「照会書(回答書)」のやりとり

相続放棄の申述書を家庭裁判所に提出した後、一般的には1週間から1カ月ほどで「照会書」が届きます。期間は家庭裁判所により異なり、一律に決まっているわけではありません。特に「回答書」にはさまざまな質問が含まれており、その回答が後の手続きに影響を与えることもあります。

「照会書」「回答書」とは?

相続放棄の照会書と回答書は、相続放棄が申述人の真意に基づいて行われているかどうかを確認するため、家庭裁判所から送付される書類です。相続放棄は相続権を放棄する重要な決断であり、この書類によって本人の意思が確認されます。

回答書は、相続放棄に関する回答を記載する書類であり、家庭裁判所ごとにフォーマットは異なりますが、基本的な内容は共通です。必ず回答書を記載し、家庭裁判所へ返送する必要があります。

「回答書」の書き方の注意点

質問への正確な回答

相続放棄照会書に含まれる質問に対して、正確な回答を行いましょう。質問内容は家庭裁判所ごとに異なることがありますが、基本的な内容は同じです。相続放棄の意思や申述者などに関する情報を提供することが求められます。

死亡日の記入

特に注意が必要な質問の一つは、被相続人(亡くなった人)の死亡日に関するものです。相続放棄申述の期限は「相続人になった日から3カ月以内」とされており、死亡日を正確に記入する必要があります。

もし死亡日から3カ月以上経過している場合、「いつ」「どのような経緯」で知ったのか理由を聞かれますので、「亡くなった人と疎遠であり、借金の督促状で死亡を知った」等のご自身の事情を書く必要があります。

死亡日を証明できる資料がある場合、それを添付することが役立ちます。例えば、警察からの通知や診断書、診療記録、督促状などが考えられます。これらの資料を提供することで、死亡日の証拠を裏付けることができます。

財産の使用に関する記載

もう一つの重要な項目は、被相続人の財産の使用に関する質問です。相続財産を消費している場合、正直に記載しましょう。葬儀費用については身分に相応しい範囲内であれば故人の相続財産から支払っても単純承認にはならないという判例があります。

回答書は家庭裁判所に保管され、嘘を書くことは記録として残ります。相続財産の消費を黙っていた場合、相続放棄取消しの裁判などで不利になる可能性があるため、正確な情報提供が重要です。

相続放棄の際、やっていいことと悪いことについては以下で詳しく解説しています。参考にしながら回答をしましょう。

「回答書」の内容は相続放棄手続きの進行に影響を与えるため、慎重に記入しましょう。質問に対する正確な回答が、スムーズな手続きのための鍵となります。

5-2.相続放棄申述受理通知書の受領

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄が受理されたことを通知する書類です。相続放棄を行った際、この通知書を受け取ることで、相続放棄が正式に受理されたことが確認できます。この通知書を債権者や関係者に提出することで、相続放棄したことを適切に証明できます。

「相続放棄申述受理通知書」と「相続放棄申述受理証明書」の違い

相続放棄申述受理通知書と相続放棄申述受理証明書は、名称が似ていますが、いくつかの重要な違いが存在します。

相続放棄申述受理通知書

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄を受理した事実を通知する書類です。手続きが完了すると自動的に申述人に送付されるため、費用は掛かりません。受け取れるのは相続放棄を行った本人のみで、利害関係人や他の相続人には送付されません。

また、通常は再発行ができません。もし「相続放棄申述受理通知書」を紛失した状態で「相続放棄申述受理証明書」を発行したい場合、相続放棄の申立ての際必ず付与される事件番号を、家庭裁判所(被相続人の住所地)に確認する必要があります。

こちらは無料で照会がかけられますが、手間がかかるので「通知書」は無くさないように注意しましょう。

相続放棄申述受理証明書

相続放棄申述受理証明書は、申述人や相続人、利害関係人が申請して取得できる書類です。後述しますが、相続登記や債権者から支払い要求があった場合に、これを提示すればその後催促されることはありません。

手数料を支払えば何度でも発行可能ですから、手続きの必要書類として提出する場合は証明書を添付しましょう。

相続放棄申述受理証明書の提出を求められるケース

相続放棄申述受理証明書は、さまざまなケースで必要とされる重要な書類です。これを提出する必要がある状況は多岐にわたり、その都度適切な対応が求められます。以下では、相続放棄申述受理証明書の提出が求められる代表的なケースについて詳しく解説します。

1. 不動産の相続登記

相続人の中に相続放棄した人がいる場合、不動産の相続登記時に相続放棄申述受理証明書が必要となることがあります。かつては相続放棄申述受理証明書が不可欠でしたが、現在では相続放棄申述受理通知書でも登記が認められる場合があります。

2. 金融機関での手続き

銀行預金の解約や払い戻しの際にも相続放棄申述受理証明書が必要とされることがあります。通常、相続放棄を行っている場合、金融機関での手続きは不要です。しかし、他に相続人が存在し、相続放棄申述受理証明書の提出が求められる場合があります。この場合、他の相続人も利害関係が発生するため、自ら申請手続きをして証明書を取得することができます。

3. 相続債権者からの請求

相続債権者とは、被相続人に対して債権を持つ者のことを指します。被相続人が借金や未払いの債務を抱えていた場合、相続債権者から支払い請求が届くことがあります。この際、相続放棄の証明が必要とされます。この場合に、「相続放棄申述受理通知書」又は「相続放棄申述受理証明書」の提出を求められます。債権者は相続放棄の利害関係者に該当するため、自ら証明書を取得することができます。

「相続放棄申述受理証明書」の申請手続き方法

相続放棄申述受理証明書を取得するためには、家庭裁判所に申請を行う必要があります。申請手続きの詳細や必要な書類は、家庭裁判所によって異なる場合があるため、確実な情報を得るためには申請先の家庭裁判所に確認しましょう。

申請の際の必要書類
  • 申請書
  • 証明書発行手数料(1通につき150円分の収入印紙)
  • 身分証明書(運転免許証、健康保険証など)の写し
  • 相続放棄申述受理通知書の写し
  • 返信用郵便切手・返信先の記載のある返信用封筒(※郵送の場合のみ)
申請費用

手数料は1通150円となります。

また、本人が申請する場合は上記の書類で問題ないですが、「相続放棄申述受理証明書」は利害関係人である相続人や債権者も申請することができます、その際は、上記の書類に加えて、「亡くなられた方の死亡の記載のある戸籍(除籍)謄本」「申請者の戸籍謄本」「相続関係図」の添付をしなくてはなりません。

書類取得までの流れなどを見てきましたが、相続放棄の手続きの全体像については別記事を参照した方が分かりやすく解説されています。以下をご参照ください。

6. 相続放棄の必要書類作成にあたっての注意点

相続放棄手続きに取り組む際に、必要な書類の作成について慎重な注意が必要です。相続放棄は一度しか申し立てることができない重要な手続きであり、必要書類の正確な作成はスムーズな手続き進行に欠かせません。この章では、相続放棄の必要書類を作成する際に留意すべきポイントを詳しく解説します。

6-1.必要書類を省略できる時もある

相続放棄手続きにおいて、必要書類を省略できるケースがあります。これにより手続きをスムーズに進めることができ、手間と時間を削減することができます。

他の相続人が既に書類を提出している場合

同一の被相続人について、他の相続人が相続放棄の申述を先に行い、その際に必要書類を提出した場合、後から相続放棄をする相続人は同じ書類の再提出を省略することができる場合があります。既に提出された書類は裁判所に保管されますので、それを活用することで手間を削減できます。

複数の相続人が同時に相続放棄を申述する場合

複数の相続人が同時に相続放棄を申述する場合、必要書類を一度にまとめて提出することができます。これにより、各相続人が個別に書類を提出する手間を省くことができます。情報共有を行い、協力して手続きを進めることで、効率的な相続放棄が可能です。

必要書類を省略する際には、他の相続人との連絡や協力が重要です。情報共有を通じて手続きを円滑に進め、効率的に相続放棄を行いましょう。手続きがスムーズに進むことで、負担を軽減し、時間と労力を節約することができます。

6-2.相続放棄の申立ては1度きりなので書類作成は慎重に

相続放棄は通常、一度しか申し立てることができません。そのため、必要な書類の作成は非常に慎重に行う必要があります。書類に誤りや不備があると、手続きが遅延し、問題が生じる可能性があります。書類の作成に際しては、専門家の指導を受けるか、家庭裁判所のガイドラインに従うことが大切です。

ダウンロードや書き方については前述した通りです。心配がある場合、複雑なケースでは、専門家に任せるのがいいでしょう。

6-3.未成年者、被後見人の放棄手続きは利益相反になってしまう

相続放棄手続きを進める際、未成年者や被後見人が関与する場合、その法定代理人である親権者や後見人との間で利益相反について注意が必要です。

以下のケースの場合、利益相反になります。

  • 親権者が相続人であり、同時に未成年者も相続人である場合
  • 親権者が複数の未成年者の法定代理人である場合
  • 後見人と被後見人が相続放棄する場合

上記の利益相反が予想されるケースでは、特別代理人の指名や法的手続きが必要であり、手続きが複雑化することがあります。円滑な相続放棄手続きを進めるために、法的アドバイスを受けつつ、計画的に進めることが重要です。

7.司法書士に依頼すれば書類作成は万全

相続放棄の必要書類を準備・作成して手続きを進める際、自分で作成することも可能ですが、司法書士に依頼することにはさまざまなメリットがあります。

相続放棄は一度しか申立てができない失敗のできない手続きであるため、その点を考慮して司法書士に依頼することの効果性を考えてみていただきたいと思います。

7-1.司法書士に依頼するメリット・デメリット

司法書士に依頼する際には、メリットとデメリットを検討し、自身の状況に合った最良の選択を行うことが大切です。

司法書士に依頼するメリット

司法書士に依頼するメリットは下記の通りです。

1. 専門知識と経験を活用できる

司法書士は相続放棄手続きに関する専門知識と豊富な経験を持っています。複雑な法的手続きや書類の作成において、専門家のアドバイスとサポートを受けることで、手続きがスムーズに進行します。

2. 不備やミスを防げる

司法書士は手続きの際に必要な書類を正確に作成し、提出に必要な情報を把握しています。これにより、手続き中の不備やミスを防ぐことができ、相続放棄がスムーズに受理されます。

3. 負担を軽減できる

自分で手続きを行う場合、書類の取得や法的手続きに多くの時間と労力がかかります。司法書士に依頼することで、負担を軽減し、時間と労力を節約できます。

司法書士に依頼するデメリット

司法書士に依頼するデメリットとして下記の通りです。

1. 費用の発生

司法書士に依頼する際には、そのサービスに対して一定の費用が発生します。手続きの複雑さや依頼する司法書士の経験によって、費用が異なります。

2. 自分で間違ってした行為の失敗を防げない

司法書士に依頼したからといって、手続きの成功が保証されるわけではありません。依然として必要な情報や協力が必要であり、相続放棄前に借金を支払ってしまったなど、司法書士に相談せずに自分でやってしまった手続きの失敗を完全に防げない可能性があります。

3. 依頼先の選択に注意が必要

司法書士の選択には慎重さが必要です。経験や評判に基づいて信頼性の高い司法書士を選ぶことが重要です。適切な司法書士を選ばないと、手続きのスムーズさと信頼性が損なわれる可能性があります。

7-2.司法書士に依頼する場合の費用

司法書士に相続放棄手続きを依頼する際の費用は、一般的におおよそ3万円から6万円程度です。しかし、手続きの複雑さや地域によって費用が異なることがありますので、具体的な費用については事前に司法書士との相談をおすすめします。

司法書士は「手続き」の専門家であり、その正確性を確保しスムーズに進行させることができます。特に書類の作成や提出において、その専門性が活かされます。相続放棄手続きにおいて、正確かつ効率的に手続きを進めたい場合、司法書士の協力は非常に有益です。

弁護士にも相続放棄手続きを依頼することができますが、書類作成に特化した司法書士であれば、通常の相続放棄手続きにおいては十分です。弁護士は、費用も約5万円から10万円程度と高い事務所が多いので、争いごとになりそうな場合に依頼するとよいでしょう。

弊所司法書士・行政書士事務所リーガルエステートでは、相続放棄に関する無料相談を行っております。相続放棄に必要な一連の手続きのアドバイスと手続きのサポートを提供いたしますので、お気軽にお問い合わせください。相続放棄手続きをスムーズに進めるためのサポートを受けることで、効率的かつ確実に手続きを完了させることができます。

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8.まとめ

この記事では、相続放棄手続きにおいて必要な書類について詳しく解説しました。相続放棄は、誰が放棄するかによって必要な書類が異なるため、注意深く手続きを進める必要があります。

以下、記事のまとめです。

  • 相続放棄を申し立てるために必要な書類は、誰が相続放棄するかによって用意する書類が異なるので注意が必要
  • 相続放棄の書類を郵送で申請する際は、到着確認ができるようなサービス(レターパック等)の利用を推奨
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相続放棄は一度しか申請できないため、書類作成には正確さと入念な準備が必要不可欠です。また、やり取りする書類も通常より多く一度の申請だけでは、手続きは終了しません。加えて3カ月という期限内に行う必要のありますので、手間やストレスを避けたいなと思った場合には、相続放棄手続きに経験豊富な専門家に依頼するとよいでしょう。

この記事の監修
司法書士・行政書士事務所リーガルエステート 代表司法書士
斎藤 竜(さいとうりょう)


司法書士法人勤務後、2013年独立開業。
司法書士としての法律知識だけではなく、「親子の腹を割った話し合い、家族会議」を通じて家族の未来をつくるお手伝いをすることをモットーに、これまでに400件以上の家族信託をはじめ、相続・生前対策を取り組んでいる。年間60件以上のセミナーを全国各地で行い、家族信託の普及にも努めている。

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