家族信託で信託口口座開設はどんな銀行を選んだらいいの?あなたに合った口座開設時の進め方とポイントを教えます!

この記事の監修
司法書士・行政書士事務所リーガルエステート 代表司法書士
斎藤 竜(さいとうりょう)


司法書士法人勤務後、2013年独立開業。
司法書士としての法律知識だけではなく、「親子の腹を割った話し合い、家族会議」を通じて家族の未来をつくるお手伝いをすることをモットーに、これまでに200件以上の家族信託をはじめ、相続・生前対策を取り組んでいる。年間50件以上のセミナーを全国各地で行い、家族信託の普及にも努めている。

家族信託をするにおいてスキームと同時に考えなければならないのは、信託口口座をどの金融機関で開設するかということです。信託する方の財産状況や利便性を考えながらスキームを実現できる金融機関を選択することが大切になります。

今回の記事でお伝えする、口座開設時に確認すべきポイントは下記のとおりです。

  • 開設予定金融機関での必要書類と流れの確認
  • 開設予定金融機関の利便性を確認する
  • 信託したい不動産に現在ローンはあるか、将来ローンを借りる予定があるか
  • 信託したい財産の中に有価証券はあるか

本記事では、家族信託に使う銀行・証券会社の信託口口座開設はどこの銀行を選んだらいいかについて案内していきます。過去記事にて「信託口口座」について詳しくご説明しておりますので、こちらを見てから本記事を読まれるとより理解が深まるはずです。

1.家族信託で自分に合った信託口口座を開けるには?5つのチェックポイント

家族信託をするためには、信託専用の口座の開設が求められます。近年、家族信託が広まるとともに、信託口口座取り扱いに関しては三井住友信託銀行などの信託銀行のみならず、千葉銀行などの地方銀行に加え城南信用金庫など信用金庫も力を入れています。

家族信託で信託口口座が開設できる金融機関については、下記の記事で掲載していますのでこちらを確認してみてください。

信託口口座の運用は、まだまだ発展途上。開設するための流れや開設時に確認されるポイント、開設後の運用など様々なことが各銀行で異なります。ですから、信託を行う際は、各銀行に問い合わせる必要があるのです。

その際に考えられるチェックポイントを今から見ていきましょう。

1‐1.家族信託の信託口口座開設における必要書類と流れ

大前提として家族信託の信託口口座は、普通口座のようにいきなり金融機関に行って開設することが難しいです。なぜかというと基本的に口座開設手続き時に必要になる書類が通常の口座開設時と違うからです。

主に必要な書類は下記の通りです。

1)本人確認書類

書類として、必要なものは、「口座を開設する本人である受託者の本人確認書類」です。ただし、銀行によっては委託者や受益者についても必要とする場合もあるので個別に確認が必要です。
また、本人確認書類が必要になる方は原則的には銀行に出向く必要があります。

2)信託契約書

信託契約書を基に銀行は信託口口座を開設します。まず口座開設予定の銀行に流れを確認することがとても大事になります。
注意点としては、下記のようなことが挙げられます。

・公証人作成の公正証書による信託契約書のみしか受け付けない銀行が現状多い。
公証人の関与なく自分で作成した信託契約書では銀行で受け付けてもらえない可能性があります。
・公証人と作成する前に信託契約書の内容をチェックする銀行もあります。
せっかく公正証書にて作成にしたのに、銀行側の要件を満たしていない為開設不可になるケースもあります。

3)届出印

信託口口座の印鑑(受託者の印鑑)なります。

この3つはどの銀行でも求められますが、他にも印鑑証明書や口座開設手数料が必要、開設時に3,000万円以上の預け入れが必要、そもそもお客様情報聞き取りしてから開設できるか銀行側が判断する、など金融機関により取り扱い条件が違っています。また開設時に時間がかかる、通帳お渡しが後日になる場合もあるなど皆さんが普段使う口座をつくるのとは少し違うところがあります。
事前に確認しておくとよいでしょう。

1‐2.利便性から考えて押さえるべきところとは?

委託者・受託者としてはどこの金融機関が使いやすいのか考えましょう。
入出金が窓口だけではなくATMができるのかどうかで口座管理の利便性が大きく変わります。信託口口座でもキャッシュカードを発行できる金融機関が多いですが、対応していない金融機関もありますので確認が必要です。対応していない場合には、窓口で預金の入出金や振り込みを行う必要があります。また、インターネットバンキングの対応はまだ信託口口座についてはあまり導入されていません。オリックス銀行など数行が対応しているにとどまっています。

収益物件を信託財産とした場合は、賃料の管理口座も信託口口座となります。今後の金銭の管理をはじめ、振込や振替の必要性などを加味して考えていきましょう。

1‐3.年金は家族信託の信託口口座で受給できるのか?

ここで注意したいのは信託口口座を親の年金受給口座として使用できるのか?ということについてですが、これはできません。
年金を受給する権利はその人の一身専属権になるので権利自体を信託財産として任せることはできないからです。年金事務所の運用としても受給口座は年金受給者自身の個人口座である必要があります。法定後見人以外の名前が入っている口座は受給口座としては認められません。

すると、家族信託をしても年金口座については、信託契約外の財産になるので、管理ができず認知症になったら入出金が難しくなってしまいます。年金を介護費や医療費に充てたい方も多いでしょう。

解決方法としては、2つが考えられます。

自動送金には手数料が掛かる点、金融機関によっては自動送金サービスの期間を設けている所もある点、信託口口座に対し年金受給口座からの自動送金手続きが不可能な金融機関もある点など事前に確認が必要です。

詳しくは、下記記事をご参照ください。

任意後見については下記の記事を参照してみてください。

1‐4.家族信託でローン付き不動産の信託・将来の借入を想定しているか?

信託財産とする収益不動産に住宅ローンなど担保権がついている場合

家族信託で賃料収入から毎月ローンの返済を行なうとすると、信託口口座銀行と担保権者(銀行)が同じであることスムーズです。ローン借り換えも検討の一つです。

ローン付不動産の家族信託・民事信託については、下記の記事を参照ください。

将来的に信託財産である土地や金銭を活用して建物を建設・購入し住宅ローンなど借入を受けたい場合

家族信託で借入を受けたい銀行で信託口口座を開けることがポイントです。賃料収入口座とローン返済口座が別々になると送金手続きが必要になりますし、銀行が認めない可能性もあります。
借入を予定しているとしたら、口座開設予定の銀行が信託不動産の借入対応が出来るのかを確認する必要があります。

現在、信託口口座の開設できる銀行・信用金庫では信託時の借入に対応している銀行が多いので、あまり心配は必要ないように考えますが、事前に確認しておくと安心ですね。

家族信託・民事信託を活用した融資につきましては下記の記事を参照ください。

1‐5.その他チェック事項

その他、口座開設時に確認する大切な事項については、受託者固有の財産と信託財産の分離機能があるかです。
信託口口座といいながらも、普通口座と変わらない屋号口座扱いとしている金融機関もあります。受託者固有の財産と同一とされると、受託者が委託者より先に他界した場合や受託者個人が破産した場合などには、委託者の信託財産とはみなされず、受託者個人の財産として取り扱われる金融実務上のリスクがありますので注意が必要です。

なお、弊社司法書士・行政書士事務所リーガルエステートでは、これから親の認知症で家族信託を検討している方、現在キャッシュカードで認知症の親の預金管理を行っている方へ、今後どのように家族信託を活用して財産管理の仕組みをつくればいいのか、無料相談をさせていただいております。どのような対策が今ならできるのかアドバイスと手続きのサポートをさせていただきますので、お気軽にお問合せください。

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2.家族信託で有価証券もある場合の信託口口座はどこで開けるべき?

有価証券とは株式、債権、投資信託等を指します。個人の方でも証券会社を通じて株式を保有している方も多いと思います。
「今が高値で売り時なのに認知症になってしまって株式が売却できない。」「相続時には株式の評価が下がっているかもしれない。」投資的要素の大きい株式はより柔軟な管理が必要でしょう。

しかし、上場株式などについては家族信託の対象としては、あまり浸透していなのが現状です。それは次の3つのハードルがあるからです。

2‐1.家族信託した株式の移管手続き

株式を家族信託する場合、証券会社の信託口口座に口座を開設する必要があります。家族信託に対応している証券会社は少なく3社程です。よって、現在保有している証券会社に信託口口座がなければ株式を移す必要があります。
この移管手続きの際は手数料が基本的に発生します。証券会社によっては移管先で最終的に手数料をキャッシュバックもしているようですが、金銭の振込のように簡単に移すことができません。

2‐2.家族信託した株式取引の手数料

証券会社は取引手続きによって手数料割引制度があります。人件費がかからないインターネット取引なら手数料を数十パーセント割引するなどですね。
信託口口座における株式注文取引はインターネット取引に対応していない証券会社がほとんどです。対面取引や電話取引になるので手数料が通常どおりかかってしまいます。

2‐3.家族信託した有価証券の税務手続き

家族信託による信託口口座の種類は証券会社がいう一般口座にあたり、上場株式等の譲渡所得・配当所得・利子所得に係る確定申告を自分で行う必要がでてきます。それに比べ、家族信託をしない場合には特定口座(源泉徴収あり)を利用することができ、その場合にはそれらの計算を証券会社が計算し税務申告をしてくれます。また、受託者は、確定申告とは別に「信託の計算書」「信託の計算書合計表」を、毎年1月31日までに税務署長に提出する必要があります。

このように株式を信託し、個人の特定口座から信託口口座に変えた場合は税務申告の取り扱いが特定口座から一般口座へと変わりますので注意が必要です。

上記の3つのハードルをクリアできれば株式を信託するという選択肢も考えていきたいですね。

一方、親の株式を管理する手段として証券会社には代理人手続きがあり、届出を出すことで口座名義人と同じ権利を代理人に与える手続きが出来ます。こちらを考えてみてもいいでしょう。
但し、証券会社側から書面や電話で意思確認をする必要があるので、口座名義人の方の意思能力があるうちに手続きすることが必要です。

上株株式など有価証券を信託するための信託口口座については、下記の記事で解説していますので、参照してみてください。

3.どんな形で預金や株式を家族信託で管理できるか、無料診断受付中

当サイトでは、どんな形で預金や株式を家族だけで管理できる仕組みを作ることができるか、無料診断が可能です。累計3500件を超える相続・家族信託相談実績をもとに、専門の司法書士・行政書士がご連絡いたします。

家族信託での信託口口座や信託専用口座による管理方法など、ご家族にとってどんな対策が必要か、何ができるのかをご説明いたします。自分の家族の場合は何が必要なのか気になるという方は、ぜひこちらから無料診断をお試しください。

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4.まとめ

最後にあなたに合った信託口口座を開けるためのポイントをチェックしましょう。

  • 開設予定金融機関での必要書類と流れの確認
  • 開設予定金融機関の利便性を確認する
  • 信託したい不動産に現在ローンはあるか、将来ローンを借りる予定があるか
  • 信託したい財産の中に有価証券はあるか

あなたにとってピッタリな信託口口座はどこの口座でしょうか?
いろんな方にいろんな財産の構成があり、一人として同じ方はいません。
置かれた家族状況や資産構成の中で一番いい形で信託の仕組みを考え、財産管理できる仕組みを作ってみてください。

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