家族信託の本おすすめ5選|基礎から応用まで学べる本を司法書士が厳選

家族信託は、資産管理と相続問題、そして将来の計画に非常に役立つ制度であり、家族信託に取り組んでいきたいというご家庭が増えています。しかし、家族信託は非常に専門的であり、一般の人にとっては難解に感じることも多いでしょう。

そこで、今回は家族信託についてしっかりと学べるおすすめの本を、司法書士が厳選してご紹介します。初級者から上級者まで、家族信託について深く理解を深めたいという方に役立つ一冊を見つけてください。また、本以外の方法で家族信託を学ぶ方法についても紹介します。

1.家族信託の概要を学ぶ(基礎編:初級者向け)

家族信託について多少聞いたことはある、この制度について何となく興味を持っているけれど、どこから学べばいいのかわからないという方も多いでしょう。この章では、家族信託の基礎について学べるおすすめの本をご紹介します。これらの本は特に家族信託の「何となくのイメージ」を具体的な知識と理解に変えたいという初級者に向いています。

1-1.相続・事業承継・認知症対策のための いちばんわかりやすい家族信託のはなし:川嵜一夫 (著)

この本は法律のプロでなくとも理解できるよう、専門用語は極力避けて書かれている、初心者向けの最初に読むべき、家族信託についてのおすすめの本です。Amazonでは35個のレビューで平均☆4.1という評価を受けています(2023年9月時点)。

著者のわかりやすく家族信託を紹介したい、という想いが本の中で表現されています。専門用語をできるだけ用いずに、誰が読んでもわかりやすく解説されており、重要なポイントを何度も繰り返し説明しているので、頭の中で家族信託の概要を整理して理解できます。

まずは、家族信託という制度を知りたいという方向けのお勧めの一冊です。

1-2.図解 いちばん親切な家族信託の本:宮田浩志 (著)

この本は、家族信託について一から理解したいという方が読むべき一冊です。本書は、家族信託の仕組みを初心者でも易しく理解できるように、図解やマンガを豊富に使用しています。Amazonでは37個のレビューで平均☆4.3という評価を受けています(2023年9月時点)。

家族信託の仕組みの説明をはじめ、他の制度と家族信託の比較や使い分け方法、家族信託を進めるための家族会議のやり方など、家族信託の全体像をつかむために最適な本です。

著者の宮田浩志氏は、家族信託について、多くの実務経験がある専門家です。

家族信託についての入門書としてはもちろん、実務にも応用できるような内容になっています。初心者におすすめできる一冊です。

2.家族信託の実際の活用事例と手続きや注意点を学ぶ(基礎~応用編:初~中級者向け)

家族信託とは、相続や事業承継、認知症対策など、多様な場面での財産管理と資産承継について、家族の将来を考慮して設計していく必要があります。しかし、この制度には法務や税務的な知識が求められており、制度も新しいため、実際の家族信託の実務や運用面について不明瞭な点を抱えています。

家族信託という制度の概要を知った方が、実際に手続きを行うために知っておくべき知識や注意点を学ぶためのおすすめの本を紹介します。

2-1.ゼロからはじめる「家族信託」活用術 (改訂版):斎藤竜著

この本は、私(斎藤竜)が書いた家族信託の本です。家族信託をこれから取り組んでいきたいと考えている士業・専門家向けに執筆しています。Amazonでは135個のレビューで平均☆4.4という評価を受けています(2023年9月時点)。

家族信託を実際に活用する際の実務の流れ、注意点など、家族信託に必要な基礎から応用までを図表を用いてわかりやすく説明しています。専門家でない方でも、この本を手に取ることで家族信託の全体像が明確になるはずです。

家族信託の概要を勉強した方が、家族信託の不明点を解消し、より詳しく知識を学び、家族信託をご自身の家族で取り組んでいきたい、という要望に答えることができる一冊です。

3.家族信託の契約、融資、終了、変更の実務と専門的知識を学ぶ(応用編:上級者向け)

家族信託の基礎知識や一般的な活用法は数多くの書籍やウェブサイトで説明されています。しかし、専門家が直面する具体的な課題、例えば信託契約の条項、家族信託を用いた融資や不動産管理の仕組み、家族信託の終了や変更に関する実務は、一般的な書籍やセミナーでは触れられていない場合が多いです。

この章では、家族信託をより深く学びたいという方向けに私自身が実務で参考にしていて役に立つ専門書を紹介します。

3-1.賃貸アパート・マンションの民事信託実務:成田 一正 (著), 金森 健一 (著), 鈴木 望 (著), 星田 寛 (その他)

家族信託の概要を紹介した多くの書籍が出版されていますが、家族信託の設定から運用、管理、終了までの手続きや税務について紹介した本は、あまりありません。

特に家族信託に関する融資や、具体的な手続きで活用する書式のほか、賃貸不動産を所有している方が家族信託で注意すべきポイントを詳しく解説しているのが、この本です。

専門家はもちろんのこと、家族信託をより専門的な知識を取得したうえで取り組みたいと考えている方におすすめの一冊です。

3-2.事例でわかる 家族信託契約の変更・終了の実務:菊永 将浩 (著), 成田 一正 (著), 本多 寿之 (著)

2017年ごろから家族信託が本格的に普及し始めてから時が経過し、現在では多くの家族信託契約が作成されています。

当初は「どのようなスキームを構築し、どんな信託契約書を作成するか」という点が主眼でしたが、時が経つにつれて、契約内容の見直しや終了が必要となるケースも出てきました。

家族信託後に、財産管理の方法や資産承継の方向性が変わった場合の変更手続きや委託者、受益者が死亡した場合の終了手続きの概要や実務を学べるほか、変更、終了を見据えた家族信託の契約書の作り方が学べます。

家族信託を扱う専門家は一度は読んでおきたい本です。家族信託を学び自分の家族で取り入れたいと考えている方も、終了時や変更時における注意点を学ぶことで、家族信託の内容設計や信託契約書作成手続きに活かすことができます。

4.家族信託を本以外で学ぶ方法

書籍は確かに家族信託に関する詳細な情報と知識を得るための方法の一つですが、それ以外にも家族信託を理解し、学ぶための方法があります。

以下、いくつかのおすすめの方法を紹介します。

4-1.家族信託のセミナーに参加する

家族信託の理解を深める手段として、書籍やインターネットの情報が挙げられますが、その中でも実践的な知識を得るための方法として、セミナーへの参加も一つの方法です。

セミナーは家族信託を取り扱う専門家や企業によって主催されることが多く、参加者にとってはその場で直接、専門家からの解説や質問をすることができます。

今は、オンラインとオフラインの双方で数多くのセミナーが提供されています。

セミナー情報の一つとして、家族信託普及協会が提供する情報が挙げられます。同協会のウェブサイトでは、多岐にわたるセミナー情報が公開されており、初心者から上級者までの参加者に適したセミナーを見つけることができます。

家族信託のセミナー開催を調べる方法として、家族信託の普及を目的として設立された、家族信託普及協会では全国のセミナー情報を公開しています。

また、弊社でも無料で参加できる動画セミナーをオンラインで開催しております。

お住まいの地域や自宅からオンラインで参加できるセミナーがあれば、参加を検討してみるのもよいでしょう。

4-2.家族信託に関するYouTubeなどの動画視聴

家族信託について学ぶ方法として、書籍やインターネット情報のほか、最近では、YouTubeなどの動画コンテンツでも学ぶことができます。専門家や家族信託サービスを提供する企業が制作した動画は、説明書やウェブサイトよりも短時間で直感的に家族信託の要点を把握することができます。

YouTubeで「家族信託」をキーワードに検索すると、司法書士、税理士、弁護士など、多くの専門家によって作成された動画が出てきます。これらの動画は家族信託のテーマ別にカテゴリー分けされていることが多く、初心者から中級者まで、自分のニーズに合った内容を効率的に学べます。

弊社のYouTubeチャンネル「相続・家族信託ガイド」でも家族信託の基礎から応用まで、幅広いトピックを解説していますので、ぜひご覧になってください。

一冊の書籍を読み終えるのに比べ、YouTubeなどの動画は通常、短時間でポイントを押さえて説明されています。動画の視聴時間も表示されるため、自分のスケジュールや学びたい内容に合わせて選ぶことができます。

4-3.家族信託の専門家に相談する

家族信託の疑問や質問は、家族信託を取り扱う専門家や企業への相談によっても解消することができます。

多くの家族信託関連の書籍やインターネットの情報は、一般的な事例をもとに解説しています。しかし、家族ごとに状況は異なり、書籍やインターネットでの情報では、家族の状況にあった適切な対応方法が異なる場合があります。このため、個別の状況や要望に合わせた対策や提案を得るためには、専門家に相談するのがベストです。

家族信託を相談するにあたって、適切な専門家や企業を選ぶ際のポイントとして、以下の要因を考慮しましょう。

  • 家族信託の実績
    100件以上の家族信託を手掛けた実績があるか?
  • 専門性とカバー領域
    家族信託に特化しているか、その他の領域も相談できるか?
  • アフターサポート
    家族信託の設定後もサポートやフォローアップがあるか?
  • 信頼性
    担当者や専門家の事務所、企業が高い評価を受けているか?

家族信託の設定や運用は、適切な専門知識と経験を持った専門家の支援なしには困難であることが多いです。したがって、自身の状況や目的に最も合致する専門家やサービス提供会社を見つけ、効果的な相談を行うことが重要です。

5.動画解説|家族信託の本おすすめ5選

6.まとめ

家族信託に関する知識と情報は多くの本が出版されているため、本で学ぶことができます。

ただし、内容も初心者向けから、上級者向けまであり、まずは、今回の記事でおすすめした初級者から中級者向けの3冊の本を読んでおけばよいでしょう。

本以外にも学ぶ手段はあり、セミナーやYouTube動画で学ぶ方法もあります。家族信託の概要を学んでから専門家に相談すると、ご自身の家庭でどんな対策が必要か、より理解できるはずです。

最後に、弊社でも家族信託に関する無料相談を実施しています。専門家と直接、一対一でお話しできる環境を提供しているため、具体的な問題や疑問点を解決できます。オンラインでも直接対面でも相談対応していますので、お気軽にご連絡ください。

この記事の監修
司法書士・行政書士事務所リーガルエステート 代表司法書士
斎藤 竜(さいとうりょう)


司法書士法人勤務後、2013年独立開業。
司法書士としての法律知識だけではなく、「親子の腹を割った話し合い、家族会議」を通じて家族の未来をつくるお手伝いをすることをモットーに、これまでに350件以上の家族信託をはじめ、相続・生前対策を取り組んでいる。年間60件以上のセミナーを全国各地で行い、家族信託の普及にも努めている。


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