【永久保存版】家族信託にかかる費用・報酬・相場を徹底調査|専門家の選び方をお伝えします

【永久保存版】家族信託にかかる費用・報酬・相場を徹底調査|専門家の選び方をお伝えします
この記事の監修
司法書士・行政書士事務所リーガルエステート 代表司法書士
斎藤 竜(さいとうりょう)


司法書士法人勤務後、2013年独立開業。
司法書士としての法律知識だけではなく、「親子の腹を割った話し合い、家族会議」を通じて家族の未来をつくるお手伝いをすることをモットーに、これまでに150件以上の家族信託や生前対策を取り組んでいる。年間50件以上のセミナーを全国各地で行い、家族信託の普及にも努めている。

認知症対策として最近注目されている家族信託・民事信託。自分の家族に取り入れようか考えるとき、やはり気になるのは「費用」のことではないでしょうか。家族信託の組成を専門家に依頼した場合、あれやこれやで、信託財産の1.5%程度の費用がかかることが多いです。

・・・高いと思われますか?安い費用ではないですよね。

「一体どんなことに費用がかかるの?」
「専門家は何をしてくれるの?自分でやることはできないの?」
「どうせ費用を払って任せるなら、頼りになる専門家に任せたい。どうやって専門家の力量を見分ければよいの?」

そんな疑問をお持ちの方々も多いと思います。

家族信託・民事信託にかかる費用を大きくわけると、自分で手続きをしてもかかる費用(実費)専門家へ支払う報酬の2つがあります。仮にご自分で手続きをする場合には、実費のみで済みますが、専門家の手助けを借りながら手続きを行う場合には、その報酬の支払いが必要です。

今回の記事のポイントは下記のとおりです。

  • 自分で手続きをしてもかかる費用(実費)としては、公正証書作成費用(費用相場:3~10万円)と信託登記にかかる登録免許税(費用相場:固定資産評価額の0.3~0.4%)がある
  • 専門家への報酬は、コンサルティング報酬(報酬相場:信託財産評価の1%程度)と信託契約書作成報酬(報酬相場:10~15万円)、信託登記報酬(報酬相場:10~15万円)の3つがある
  • 専門家報酬の支払方式としては、初期費用での一括支払方式又は定額支払方式の2つがあるが、定額支払方式の場合には信託期間が5年を超えると初期費用よりも割高となる可能性があるので要注意!
  • 頼りになる専門家を見極める際には、①家族信託・民事信託の実績数、②家族信託の隣接制度と比較検討された提案ができるか、③専門家同士のネットワークがあるか、④信託契約後のサポート体制があるかを確認する

これから、家族信託・民事信託を検討していきたいと考えている方向けに、家族信託にまつわる費用や専門家に支払う報酬の相場と良い専門家の見分け方を解説します。

自分で手続きをしてもかかる費用

新しい信託法が施行されてから10年以上。巷にも家族信託に関する情報が増えてきました。「専門家の手を借りずに、自分で手続きを行いたい」と考える方もいらっしゃるでしょう。その場合にかかる費用は、下記の2点となります。

①  信託契約書を公正証書化する際の費用(費用相場:3~10万円)

信託契約書は、当事者間の契約で成立するため、公正証書で作成しなくても契約をすることはできます。しかし、信託した金銭を管理するための正式な信託口口座(※)を金融機関で開設する場合には、信託契約書を公正証書化する必要があります。公証証書化の費用は、信託化する財産の評価額で増減します。一般的には、3万円~10万円の間で考えておけば良いでしょう。詳しい計算方法は下記を参考にしてみてください。

信託契約書を公正証書化する際の費用

引用元:日本公証人連合会HP

※信託した金銭を管理するための信託口口座については下記の記事で詳しく解説しています。

②不動産の信託登記にかかる登録免許税(費用相場:固定資産評価額の0.3~0.4%)

不動産を信託財産に入れると、不動産の名義を変更する必要があります。その際、名義変更にかかわる税金として、不動産の固定資産税評価額の0.4%(又は0.3%)の額が登録免許税として課税されます。

不動産の信託登記にかかる登録免許税

たとえば・・・

評価額2000万円の土地と1000万円の建物を信託登記する場合には、
土地:2000万円×0.3%=6万円
建物:1000万円×0.4%=4万円
合計10万円の登録免許税がかかります。

実際に家族信託を行う際に必要な手続きの流れは下記の記事で詳しく解説していますので、確認してみてください。

専門家への報酬

そうは言っても、家族信託・民事信託の契約書は、そこまで簡単に作成できるものではありません。正確に言うと、ひな型に沿って作成すること自体は誰でもできます。しかし、家族信託・民事信託は歴史が浅い制度であるため、実務における金融機関での取り扱い、不動産取引や税金関係の考えた方は日々変化しています。家族信託の組成は、将来のあらゆる場面を想定したものでないと、何年か後に思わぬ横やりが入る危険性があります。

そのようなリスクを排除するために存在するのが専門家(司法書士、弁護士等)です。専門家に依頼した場合、上記で解説した費用に加え、専門家への報酬が発生します。報酬は、専門家が自由に設定できますが、下記のような報酬形態となっているところが多いです。

大きく分けると、①家族信託・民事信託コンサルティング報酬、②信託契約書作成報酬、③信託登記報酬の3つがあります。

1)コンサルティング報酬(報酬相場:信託財産評価の1%程度(最低30万円))

お客様から情報をヒアリングし、最適な信託契約書を作成する土台をつくるための費用です。報酬は専門家ごとに異なりますが、下記のように信託財産評価額の1%(最低30万円)程度から始まる従量課金としているところが多いようです。

専門家のコンサルティング費用

上記の計算式で計算すると、

仮に信託する財産の評価額が、
5000万円の場合には、5000万円×1%=50万円
2億円の場合には、1億円×1%+1億円×0.5%=150万円
のコンサルティング報酬がかかります。

2)信託契約書作成報酬(報酬相場:10~15万円)

コンサルティングした内容を元に公正証書の原案となる信託契約書を作成する費用です。専門家によっては、コンサルティング報酬に契約書作成報酬を含めて計算しているところもあります。この費用も専門家によって異なりますが、1通あたり10~15万円としているところが多いです。

3)信託登記報酬(報酬相場:10~15万円)

不動産を信託財産とした場合に、不動産の名義変更を司法書士が行う為の費用です。専門家ごとに費用は異なりますが、概ね信託登記1件あたり10~15万円かかることが多いです。法務局へ申請する為の費用です。

専門家報酬の支払方式~一括支払方式と定額支払方式~

家族信託・民事信託では、初期費用が発生する代わりに、信託が始まってからは、新たな定額費用が発生しないことが特徴です。それが、後見制度と比較した場合の家族信託・民事信託のメリットの1つと言えます。

しかし、最近では、初期費用を抑える代わりに、月額(又は年額)費用を専門家に支払い続けるという方式をとっている専門家もいます。定額支払方式のメリットとデメリットは下記のとおりです。

定額支払方式のメリットとデメリット

例えば、下記のような料金形態の場合は、概ね5年でトータルの費用が逆転することになります。

例)信託財産 3000万円の場合
初期費用5万円(コンサルティング報酬のみ。その他は別途費用。)
年額費用5万円
➡相場のコンサルティング報酬を初期費用として支払った場合は、3000万円×1%=30万円
➡定額払い方式では5年目以降は、トータルコストでは割高になる計算に…
※初期費用5万円+年額費用5万円×5年=30万円

頼りになる専門家の見つけ方~コンサルティング能力を見極める~

さて、どのみち報酬を支払うのであれば、できるだけ頼りになる専門家を選びたいですよね。

家族信託の専門家報酬の大部分を占めるのがコンサルティング報酬です。そのため、「このコンサルティング報酬の中で、その専門家がどれだけレベルの高い提案をしてくれるのか?」が優秀な専門家を選ぶ為のポイントとなります。

専門家のコンサルティングの力量は、信託の組成方法や契約内容に大きな影響を与えます。逆を言うと、コンサルティングさえしっかり出来ていれば、契約書作成や登記申請といった手続きで、つまずく可能性は極めて低くなります。

それでは、「優秀な専門家」を見つけるためには、どのような点に注目すればよいでしょうか?
下記に、優秀な専門家を見極め、選択するためのポイントを4つご紹介します。

①  家族信託・民事信託を実際に組成した実績数はどの程度あるのか

まず第一に、優秀な専門家は、家族信託・民事信託に精通しています。

「何を当たり前のことを言っているのか?」と思われるかもしれません。
しかし、ここで言う「精通している」というのは、単に「家族信託の制度を良く知っている」ということではありません。書籍やインターネットで調べれば、一般の方でも、それくらいの知識を身につけることは不可能ではなくなりました。

専門家の専門家たる強みは、やはり「制度の最新動向を知っている」「実務における失敗事例&回避方法を知っている」「メリットだけでなく、デメリットをきちんと伝えることができる」ということになるのではないでしょうか。いわゆる書籍だけでは学べない知識をもっているということです。

特に新しい制度である「家族信託」では、法務・税務・会計上の解釈や運用が確定していない部分が残っています。そのため、最新の法改正、判例や法解釈の変更、行政機関の通達等を注視し、適切な対応をしていくことが重要になっていきます。

家族信託・民事信託を実際に組成した実績数

例えば司法書士であれば、不動産登記を専門にしていて、信託は未経験の事務所が多くあります。無料相談時に「家族信託・民事信託の実績が何件ぐらいあるのか」「所長以外のスタッフも信託について相談できるか?」「専門性があるのか?」を聞いてみるとよいでしょう。

ホームページなどで「家族信託・民事信託の専門家」「相談実績〇〇〇〇件」という記載があっても、〇〇の専門家という言葉は誰でも名乗れてしまいます。相談数はあくまで相談を受けてきた数であって、実際に手がけた家族信託・民事信託の実務経験や契約数は意外と少ないという専門家も存在するのが実情です。

② 家族信託の隣接制度と比較検討された提案ができるか

家族信託は、いわゆる生前対策の選択肢の1つでしかありません。家族信託を組成することだけを目的とした提案(コンサルティング)では、片手落ちと言わざるを得ません。司法書士なら不動産登記、行政書士なら契約書作成のみ、税理士なら税務申告のみを手続き代行しているところが多い傾向にあります。

専門家自身が、家族信託以外の選択肢(後見制度、生前贈与、遺言等)にも精通していて、メリット・デメリットを比較検討できるのはもちろんのこと、それに加え、ご家族自身が納得のいく選択をできるように、それを分かりやすく説明する能力が求められます。

※上記は、当事務所がお客様に提案時にご案内する資料を一部抜粋しております。お客様の状況にあわせてメリット問題点をお伝えしているかがどうかが非常に重要です。

家族で比較検討しやすいように「提案書」という形で、家族信託に隣接する制度を図解・説明できる事務所なのかを確認をしてみてください。

③  専門領域外の専門家とのネットワークがあるか

専門領域外の専門家とのネットワークがあるか

家族信託を組成するにあたっては、法律・税務・保険・金融手続き等々、幅広い知識が求められます。それら全ての領域を1人で深いところまでカバーすることは不可能と言っても良いでしょう。その為、その専門家が、自分の専門領域以外で協力・提携できる司法書士、弁護士、税理士等々のネットワークを持っているかが大事になってきます。
無料相談で、実際にどこの専門家と連携して業務を取り扱っているのか確認をしてみてください。

④  信託契約後のサポート体制が充実しているか

信託契約後のサポート体制が充実しているか

家族信託・民事信託は信託契約ができれば終了ではありません。信託契約を締結すると、受託者による財産管理がスタートします。財産管理を続けるにあたって、困ることも多々発生するでしょう。契約後も相談できる体制がととのっているか、面談だけでなく、電話やメール、チャットツール、ビデオ会議などで気軽に相談できるかなど、体制が整っているか確認してみてください。

以上が、頼りになる専門家を見極めるためのポイントです。ホームページの記載のほか、実際に無料相談などでその相談・サポート体制がどうなっているのかきちんと確認してみてくださいね。

まとめ

  • 自分で手続きをしてもかかる費用(実費)としては、公正証書作成費用(費用相場:3~10万円)と信託登記にかかる登録免許税(費用相場:固定資産評価額の0.3~0.4%)がある
  • 専門家への報酬は、コンサルティング報酬(報酬相場:信託財産評価の1%程度)と信託契約書作成報酬(報酬相場:10~15万円)、信託登記報酬(報酬相場:10~15万円)の3つがある
  • 専門家への報酬の支払方式としては、初期費用での一括支払方式又は定額支払方式の2つがあるが、定額支払方式の場合には信託期間が5年を超えると初期費用よりも割高となる可能性があるので要注意!
  • 頼りになる専門家を見極める際には、①家族信託・民事信託の実績数、②家族信託の隣接制度と比較検討された提案ができるか、③専門家同士のネットワークがあるか、④信託契約後のサポート体制があるかを確認する

実際にご家庭で、家族信託を検討する際にかかる費用の相場感と優秀な専門家の見分け方をお伝えしました。

家族信託・民事信託はご自分でもできる手続きです。ですが、まだ実務が確立していない部分も多く、専門家も実務動向を調べながら、それぞれの家族に最適な家族信託・民事信託の設計をしています。

専門家に支払う費用はそれなりにかかりますが、その費用分の安心感を得られるというメリットもあります。この記事がみなさまの最適な選択の手助けとなれば幸いです。私たちの事務所でも、初回面談は無料にてご相談を受け付けておりますので、ご興味にある方は是非ご連絡ください。

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