信託契約書の内容を間違えると下記のようなトラブルが発生する可能性があります。

 
 

みなし贈与が発生するかも

家族信託は、その信託法上、財産管理を託す委託者と、信託契約により権利を取得する受益者を同一人に設定します。

例えば、父親の財産管理を子に任せるケースの場合、「委託者(父)=受益者(父)」という形で契約書を作成するのです。
受益者は、家族信託で信託した財産に関する権利をもっています。そのため、信託財産である金銭を活用して受託者から「生活費の支出」「施設費用の支払い」「信託財産である自宅の利用」「アパートなどの収益物件から発生する家賃」などの信託財産から生じる利益を受けることができます。利益を受ける人は変わらないので、贈与税などの税務の負担はありません。
しかし、もし、「委託者(父)≠受益者(父)」の場合。
例えば、生前から障害のある妻のために子に財産管理を託すケースが挙げられるでしょう。
この場合、財産の利益を受ける人が所有者から母に移行しています。ですから、受益権の価格(信託財産の価格)に対して贈与税が課税されることになるのです。
上記のようなケースだと、受益者を安易に委託者以外の第三者に設定してしまいがちです。その場合は、税務上みなし贈与とならないような仕組みづくりが必要なのです。

損益通算ができないので、支払う税金が増える

たとえば、自営業の事業主が事業とは別に不動産から所得を得ている場合、確定申告の際に自営業による事業所得と不動産所得とを合算して所得を計上できます。不動産所得で赤字が計上されている場合には事業所得の黒字と合算することができ、結果的に所得が低くなり支払う所得税も少なくなります。
これが損益通算です。
ただし、不動産を信託した場合。
その受益者は、租税特別措置法41条の4の2により不動産所得で赤字が計上されていても、所得税の計算では赤字はなかったものとみなされます。このため信託財産以外に所得がある場合に、その所得と信託不動産の損益通算できませんし、純損失の繰越控除もできません。
このことは、信託契約を複数作成し、信託契約ごとに不動産を分けている場合も同様です。

そのため、家族信託をしても税務上不利益がないかをきちんと検証する必要があります。

家族信託において、契約書作成と同時に託された金銭を管理するための「口座の準備」が必要です。信託契約をしても、親(委託者)個人のままの預貯金口座では、管理をすることができません。信託契約で通帳番号を特定してもあくまで名義人は委託者のままですから、委託者本人以外の手続きができないのです。
ですから、家族信託契約後に、金銭を管理するために「受託者名義の信託金銭管理用口座」を開設しておく必要があります。
しかし、ここで注意すべき点は、信託用管理口座(信託口口座)開設にあたって、金融機関独自の事前の審査があることです。契約書をチェックして、法的に問題ないか銀行側のチェックがあります。
ですから、突然窓口に行って口座を作ってほしいと言っても対応してもらえない可能性があるのです。また、金融機関によっては、司法書士などの専門家が作成に関与した信託契約書でなければ受け付けてくれないというところもあります。

信託財産である不動産を売却する際は、信託契約書と不動産の登記簿に書かれている内容がチェックされます。不動産を信託する場合は、信託契約書の記載にもとづいて、法務局で信託登記が行います。

信託契約書及び信託登記簿のなかで、不動産の売却に必要な権限が記載されていないと実際に書類を提示しても売却ができません。不動産を売却するとなると、売買契約を行うだけでなく、土地の測量や古屋の解体など売買に伴う様々な手続きが必要です。そして、信託契約で定めた内容に従い、不動産の信託登記に必要な事項を取捨選択して法務局で登記手続きを行う必要があります。

将来行われることを想定して具体的な権限を信託契約書及び登記簿に記載する必要があるのです

 
 

多くのリスクをここまでお伝えしてきましたが、ご安心ください。

信託契約書にも、皆さんにお渡ししたような基本的なひな形はあります。

しかし、ひな形があると言っても、ご家族ごとの家族構成や財産状況、今後どのように管理していきたいのかといった要望など様々です。ですから実際に、そこからあなたにピッタリの契約書を作成するのは、法務的・税務的な知識も必要になり、条項がひとつ入っていないだけで思わぬトラブルが発生する危険性もあります。

 
 
  • 今すぐ必要で、少しの期間しか信託契約書の効力は発生しないだろうから、そんなしっかりしたものでなくてもいいだろう
  • 法務や税務の知識もちょっとはあるから、調べながらできるだろう
  • ダウンロードした信託契約書の一部を変更すれば、問題なく運用できるだろう
  • 信託の大まかな内容は決めっているから、あとは契約書のひな形を多少いじれば作れるだろう
 
 
今すぐ考えをあらためて

家族信託と似た制度である成年後見や遺言と比べると、家族信託の歴史は浅く、実務が確立していない部分が多いです。正直なところ、私たち専門家も新しい判例や通達、実務動向を追いながら、日々の業務に取り組んでいる状況です。

今回お送りしているひな型も私たちの事務所でも活用しているものですが、依頼者の置かれた家族関係、資産構成によっても内容をカスタマイズしており、法務や税務実務の動向に基づき日々変更を加えています。大げさにいえば、2~3年後には、今回ご紹介したひな形も全く様変わりしていることも十分にありえるのです。

ですから、やはり契約書作成は専門家に任せるのがベストと言わざるを得ません。

単に、家族信託契約書をご自身ですべて網羅するための方法ではなく、家族信託契約書の土台をつくるための税務と法務の3つのリスクとその反映方法についてお伝えしたいのです。

 
 

こんな人にオススメです


想定外の法律や税金のトラブルが信託契約により発生しないか仕組みを確認する必要があります

信託契約は委託者と受託者間の契約できますが、受託者が万が一先に死亡した場合などリスク回避の仕組みを検討する必要があります。

金融機関で信託口口座を開設するには、事前にリーガルチェックを受けた信託契約書が必要です。

将来、受託者の権限で確実に売却できるような契約条項と信託登記を行う必要があります。

財産の分配がスムーズにできるか、相続税が信託契約により余分にかからないか等検討する必要があります。

賃貸管理会社や金融機関など第三者との折衝が必要となり、信託契約に必要な条項を設けなければならないことがあります。

 
 

今回のセミナーでは、
主に
以下のようなことを
お伝えしようと思っています。

ポイント間違った信託契約書を作成した場合の3つのリスク
ポイント無駄な税金を払わず、口座凍結を防ぐための信託契約スキームの解説
ポイント要注意!自益信託と他益信託。契約時に想定外の税金がかかるかも?
ポイント不動産所得がある人は知っておきたい損益通算禁止のリスクと回避方法
ポイント信託契約後の金銭を管理するための信託口口座の開設手続きの流れ
ポイント金融機関で信託口口座が開設できない場合の代替方法
ポイント不動産が売却できない!を防ぐための方法は、ズバリこれ!
ポイント親の想いを叶える財産の引き継ぎ方と契約書の定め方とは?
ポイント信託終了時に想定外の税金が!?信託契約で知っておきたい税金の仕組

などです(内容は時間の都合などにより一部変更になる場合があります)

 
 

セミナー参加特典

セミナー参加費用

このような契約書解説セミナーを行っていますが、士業・専門家向けの家族信託・民事信託セミナーですと、一人当たり11,000円を頂いています。 しかし、今回、多くの方の家族にとって必要な家族信託・民事信託の設計方法を多くの人に伝えたいと思い、

でセミナーにご参加いただけるようにしています。

セミナー詳細

 
 

 
 

司法書士・行政書士事務所リーガルエステート
代表司法書士 斎藤 竜


家族信託・生前対策専門の司法書士。
司法書士法人勤務後、2013年独立開業順調に事務所経営する中で、父が胃ガンで入院するという事態が発生。幼少期、弟が難病を患っており、そのことで長年、父との確執があり、父の退院後、腹を割って対話することを経て、父の想いに初めて気付く。

この出来事をきっかけに、法律家としての在り方を見直し、法律知識だけでなく、親の過去を承認し、そして現在、未来をどのように過ごしていきたいか?という親子の対話を重視し、司法書士の業務のみにとどまらない生前対策について顧客本位の提案をしていくという「リーガルエステート流提案術」を生み出し、ノウハウを体系化する。

その評判からテレビや業界雑誌などでも取り上げられるようになり、家族信託・生前対策コンサルティングの第一人者として全国80社超の士業・専門家が所属する団体を主催するなど、その行動力と姿勢に顧客のみならず、同業をはじめ、多くの士業・専門家の支持を得ている。

 
 

最後に、私の想いを少しだけ伝えさせてください。

代表司法書士斎藤竜最後に、私の想いを少しだけ伝えさせてください。
私は、家族信託・民事信託を一つのきっかけとして、「親子の腹を割った話し合い、家族会議」を通じて家族の未来をつくるお手伝いをしていきたいと考えています。
開業後、自分の父が精肉店を営んでおり、倒れるという事態が起こりました。
医師の診断を受けたところ、父が胃ガンを患い、手術の結果、一命をとりとめたものの、胃を全摘出するということがありました。この時ばかりは最悪の事態も想定しましたが、幸い手術は成功し無事退院できました。

子供の頃、弟が難病のため両親が弟のことにかかりっきりになっていたことがありました。子供の僕は、自分がどのように家族の中で、振る舞えばよいかわからず、家で1人で当時流行していたゲームをしていたことがあります。そのことについて父から「なんでお前はいつもゲームばかりしているんだ、弟は大変なのに」と激しく叱られ、そのことをきっかけにずっと父の間で、わだかまりを抱えたまま人生を生きてきました。 そして、同じことを娘にしてしまっている自分がいたのです。自分は父から認められたかった、だから、がむしゃらに頑張ってきました。

その後、退院した父と時間をとって話しました 。 父と同じような事を自分の娘にしてしまっていること、そして弟のことがあったことも、自分に対してどう考えていたのか?自分は父に認めてもらいたいと思い、必死に仕事に取組み、司法書士として独立し開業したことなど、心の中で思っていたことをすべて話ました。
父からは家族をみんな自由にしたかった。弟は苦しんでいたから、せめて僕のことだけは自由にさせたかったという言葉をもらいました。父は無骨な人間でコミュケーションが下手で、自分の気持ちをうまく伝えることができない人間でした。 でも、その想いと父のこれまでの行動がすべて私の中でつながりました。
僕は、父に認められたい、「よくやっている」という言葉をもらいたいから、がむしゃらに資格を取り、開業し、営業をしてきました。
でも、父との会話を通じて、実は、とっくの昔に、僕のことを一人前の人間だと認めていたことに初めて気づきました。たくさんの愛情を受けて育ててもらったことを、今更ながら気づきました。

この出来事は、自分の法律家としての在り方をもう一度考え直すきっかけとなりました。
家族信託は財産管理、資産承継対策のうちの一つの手法です。
家族信託だけでは、円満な家族を保つことはできません
大切なことは、親の過去を承認すること、そして現在、未来をどのように過ごしていきたいか?という親子の対話です。この家族信託・民事信託を一つのきっかけとして、私は親子の家族会議を通じて、家族の未来をつくるお手伝いをしていきます。

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