「親が認知症になったら、実家の売却や口座の解約が一切できなくなる…?」 そんな将来の不安を解決する手段として、2000年から始まった「成年後見制度」。しかし、実務の現場では「一度始めると一生やめられない」「他人の専門家に高額な報酬を払い続ける」といった不満が多く、使い勝手の悪さが長年指摘されてきました。
そんな中、高齢化社会の常識を覆す歴史的な大ニュースが飛び込んできました。2026年6月17日、成年後見制度の見直しを盛り込んだ改正法が参院本会議で可決・成立しました。
今回の法改正により、最大の足かせだった「事実上の終身制」が見直され、一定条件で終了可能になり、必要に応じて途中で終了できるようになります。
この記事のポイントは以下の通りです。
- 2026年6月17日に成立した「改正民法」
判断能力が不十分な人を支援する成年後見制度の大幅な見直しを盛り込んだ改正民法が、17日の参院本会議で可決・成立しました。 - 実際に新制度が使えるのは2028年ごろの見込み
システム改修や現場のルール整備といった実務上の準備期間が必要となるため、実際に新制度がスタートするのは早くても2028年ごろになる見通しです。 - 「一生やめられない」終身制から「一定条件で終了可能な制度」へ
実家の売却など設定した特定の目的が完了し、家庭裁判所が必要性の消滅を認めた場合、途中で利用を終了できる仕組みが導入されます - 新設される「行為限定」の仕組みと、家族信託との賢い比較法
遺産分割など特定の行為に限ったスポット利用が可能になりますが、年1回の家裁への報告義務があるため、元気なうちに家族だけで自由に管理・運用したい場合は家族信託との使い分けが不可欠です。
「ひどい」と言われ敬遠されてきた成年後見制度が、今回の改正でどう生まれ変わるのか。実務に精通した司法書士が、個人の方にどこよりもわかりやすく徹底解説します。
目次
1.「成年後見制度はひどい」と言われて敬遠された理由
これまでの成年後見制度(法定後見)は、利用しているご家族から「ひどい制度だ」「利用しなければよかった」と後悔されるケースが後を絶ちませんでした。2025年12月時点の利用者数が全国でおよそ26万人(※)にとどまっていたのも、この「使い勝手の悪さ」が原因です。
なぜ、そこまで制度が敬遠されてきたのでしょうか。法改正によるメリットを正しく理解するためにも、まずはこれまでの制度に潜んでいた致命的な問題点と、実務における「家族がなれない」と言われた噂の真相を明らかにします。
1-1.なぜ一生やめられなかったのか
従来の成年後見制度における最大の落とし穴は、一度利用を始めると、本人の判断能力が奇跡的に回復しない限り、亡くなるまで一生やめられない「事実上の終身制」だった点です。
例えば、「凍結された親の銀行口座を解約したい」「介護費用を作るために実家を売りたい」という特定の目的(法律行為)のために後見人を申し立てたとしても、その手続きが終わったからといって制度を途中でやめることは一切認められませんでした。
これにより、決定権の過度な制限と、長期化する金銭的負担が大きな社会問題となっていたのです。
1-2.家族が後見人になれない実態
インターネットなどでよく目にする「成年後見人は家族がなれない」という言葉は、厳密には誤解です。
最高裁判所が公表している司法統計(2025年版)を見ると、親族が後見人に選ばれた割合は全体の「約16.4%」に過ぎず、残りの約83.6%は弁護士や司法書士などの専門職が占めています。この数字だけを見ると、まるで家族が排除されているように思えます。
しかし実態は異なり、そもそも「親族が後見人になりたい」と希望したケース自体が全体の約19.7%と、全体の約2割にまで減少しています。このデータから逆算すると、親族後見を希望した人のうち、実際に家庭裁判所に認められた割合(認容率)は約89.3%に達しており、基本的には高い確率で家族が選ばれているのが現実です。
それにもかかわらず、「家族は立候補しても選ばれない」という不安が根強く囁かれるのには、以下の理由があります。
「約11%(約1割)の確率で拒否される」という心理的リスク
財産が多いと「後見監督人」がつくというハードル
つまり、実態は「家族だから選ばれない」のではなく、「せっかく立候補しても約11%の確率で断られるリスクがあり、運よく選ばれても財産が多ければプロの監督人に監視されることになる。その二重のハードルを前に、多くの家族が及び腰になり、ハナから立候補自体を諦めてしまっている」というのが、専門職の割合が83.6%にまで膨れ上がっている真の原因なのです。
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成年後見関係事件の概況
1-3.従来の制度が抱えていた生涯コスト
専門職が後見人に就任した場合、本人の財産から毎月2万〜6万円程度の「基本報酬」が、本人が亡くなるまで継続して発生します 。さらに不動産の売却などを行うと、ボーナスにあたる「付加報酬」が加算されます。
長生きをすればするほど、家族のためではなく、専門職への報酬で親の財産が年間数十万円単位で目減りしていくという、生涯にわたり続く費用負担が発生していました。
こうした家族の決定権を過度に制限し、金銭的負担を強いる「終身制の弊害」に限界がきたからこそ、2026年6月、ついに歴史的な民法改正が実現したのです。
2.2026年民法改正で制度はどう変わる?
2000年に始まった成年後見制度は、実に26年ぶりとなる歴史的な大転換期を迎えました。2026年6月17日、成年後見制度の見直しを盛り込んだ改正法が参院本会議で可決・成立したのです。
今回の法改正の目的は、一言でいえば「使い勝手の悪さの改善」です。高齢化が急激に進行する社会状況を踏まえ、これまでの硬直化したルールを壊し、利用者の状況に寄り添った柔軟な支援ができる仕組みへと生まれ変わります。
2-1. 実際に新しい制度が利用できるようになるのはいつから?
今回の法改正は、成立後すぐに適用されるわけではありません。法律上、施行日は「公布の日から2年6か月以内の政令で定める日」とされています。
これは、家庭裁判所や行政機関のシステム改修、現場での運用ルール整備など、実務上の準備期間を確保するためです。
そのため、実際に新制度を利用できるようになるのは、早くても2028年ごろになる可能性があります。今後は施行に向けて、制度の具体的な運用設計が本格化していく見込みです。
2-2.後見・保佐・補助はどう変わる?制度の枠組み見直しへ
これまでの成年後見制度では、本人の判断能力の程度(重さ)に応じて、保護の必要性が高い順に以下の3つの段階に分かれていました。
- 後見(こうけん):判断能力が常にない状態(最も重い)
- 保佐(ほさ):判断能力が著しく不十分な状態(中程度)
- 補助(ほじょ):判断能力が不十分な状態(軽度)
しかし、今回の改正では、従来の3類型(後見・保佐・補助)の枠組みを見直し、今後は、より使いやすい制度を目指して、「補助制度を中心とした再設計」など、具体的な制度設計の議論が進んでいくと見られます。
具体的な運用ルールについては、今後の制度設計や実務運用の整理を待つ必要があります。
2-3.劇的に変わる4つの改正ポイント(見込み)
制度の枠組みが見直されることで、実務上のルールはどのように変わるのでしょうか。 今回の改正における極めて重要な4つのポイントを、表でわかりやすくまとめました。
改正後は、この「補助人」による支援が制度の中心になっていく見通しです。
こうした見直しは、従来制度で課題となっていた「使い勝手の悪さ」を改善し、より利用しやすい制度を目指して議論が進められています。
現行法の「条文上の建前」と「実務」のズレ
実は、現行の民法(第863条)には「年に1回報告しなさい」とはハッキリ書いてありません。条文上は「家庭裁判所は、いつでも後見人に報告を求めたり、調査ができる」という形(随時報告)になっています。
しかし、家裁が全案件を随時チェックするのは不可能なため、運用ルールとして「全後見人は、自主的に年1回かならず定期報告書を提出すること」を義務付けているのが現行の実態です。
参照元:日本経済新聞(2026年6月18日朝刊)「成年後見、終了可能に 改正民法成立、行為限定も認める」
なぜ改正法で「年1回の報告義務」が強調されるのか?
すでに実務上は年1回報告しているにもかかわらず、今回の改正民法で「年に1回、補助人が家裁へ状況報告することを義務付ける」と新設されたのには、明確な理由があります。それは「途中終了(オプトアウト)」の判定基準にするためです。
今回の改正の目玉は、本人の能力が回復したり、支援の必要がなくなったら「途中で制度利用をやめられる(終身制の廃止)」点です。
つまり、これまでは「どうせ死ぬまで終わらない」ため、年1回の報告は主に「財産の使い込み(横領)がないかの小切手的なチェック」でした。
これからは、 法律で明確に年1回の報告を義務付けることで、家裁が「この本人は、今年もまだ保護が必要か? もう卒業(終了)させてもいい状態か?」を毎年公式に審査・スクリーニングする場へと役割が変わります。
3.必要時だけ使える「行為限定」の仕組み
2026年の法改正によって、これまでの「すべての財産を全般的に管理する」という硬直した仕組みから、必要な手続きだけをピンポイントでサポートする「行為限定」の仕組みへと大きく舵が切られました。
これまでの後見人は、預貯金の管理や施設・不動産の契約など、本人の代わりにすべての法律行為を行う包括的な権限を持っていました。これが原因で、特定の目的が終わっても他人の専門職に家計を厳しくチェックされ続けるという、ご家族の悲劇を生んでいたのです。
3-1.行為限定(スポット利用)の具体例
新しく一本化される「補助」制度では、ご本人の状況や必要性に応じて、改正後は、従来よりも特定の行為に絞った支援がしやすくなる方向で制度設計が進められています。具体例としては、以下のようなケースが考えられます。
■ 実家の売却手続きのためだけ:
親の介護費用や施設入居の資金を作るために、空き家になった実家を売りたいとき、その売買契約のときだけ臨時に支援を受けます。
■ 遺産分割協議への参加のためだけ:
親の親族が亡くなり、相続の手続き(遺産分割協議)に加わる必要があるとき、その話し合いと書類への署名押印の間だけサポートを受けます。
■ 定期預金の解約や特定の契約のためだけ:
銀行で凍結された高額な定期預金の解約など、家族だけでは進められない重要な手続きのときだけ権限を絞って利用します。
3-2.包括管理と行為限定の決定的な違い
これまでの「丸ごと管理」と、これからの「スポット管理」の違いを表で比較してみましょう。
3-3.スポット利用における実務上の限界
必要なときだけ使える「行為限定」は非常に画期的な改正ですが、実務上は以下の「限界」や「注意点」があることを忘れてはなりません。
本当にその行為だけで終われるかの懸念
年に1回の家裁への状況報告義務
このように、行為限定によって使い勝手は大きく向上しますが、裁判所が関与する公的制度である以上、一定のルールや報告義務は残ります。このメリットと限界を天秤にかけた上で、利用を検討することが大切です。
4.途中でやめられる?後見終了の条件
これまでの成年後見制度は、一度申し立てると本人が亡くなるまでやめられない「一生モノの制度」としてご家族の重荷になっていました。
しかし、2026年6月の法改正により、一定の条件を満たせば「途中で利用を終了できる規定」が新設されました。今回の改正によって、具体的にどのようなケースであれば終了が認められるのか、実務の視点から解説します。
4-1.家裁が認める終了条件
新しい「補助」制度では、あらかじめ設定した特定目的(実家の売却や遺産分割協議など)が完了し、家裁が必要性消滅を認めた場合は終了可能と考えられます 。
なお、現時点では終了手続きの詳細な運用は今後の制度設計や実務運用を待つ必要があります。
実務的な観点からは、終了後の金融機関の窓口対応が今後どのように連動していくかという課題が残ります。
4-2.親の認知症が銀行にばれるとどうなる?口座凍結の現実
そもそも、親が認知症になったことが銀行にばれると、その時点で口座は即座に凍結されてしまいます。今回の法改正で「後見制度の途中終了」が可能になったとしても、この銀行の対応ルール(口座凍結)とどう連動するかは別問題です。
例えば、「自宅の売却」という特定の行為のためにこの制度を利用し、売却完了をもって利用終了となったケースを想定してみます。売却代金はご本人の銀行口座に入金されますが、課題となるのはその後の資金管理です。
ご本人に重度の認知症がある場合、制度の利用が終了しても、判断能力が回復したわけではありません。その後、ご家族が施設の入居費などを支払うために預金の引き出しを求めた際、現在の実務では金融機関側は、「ご本人様の意思確認ができないため、成年後見制度の利用をご検討ください」と案内する可能性が高くなります。
たとえ利用終了が認められたとしても、金融機関の運用ルールが変わらない限り、その後の口座取引に再び制限がかかる可能性が高く、制度上の終了と実務上の運用との間にギャップが生じるおそれがあります。
結果として、判断能力の回復が見込めないケースにおいては、一度利用を終了しても、預金管理のために再度制度を利用せざるを得ない循環が生じる可能性があります。
今回の民法改正が実効性のあるものになるか否かは、今後、全国銀行協会をはじめとする金融業界が、制度利用終了後の口座管理について、どのような柔軟なガイドラインや運用の枠組みを打ち出していけるかにかかっていると言えます。
5.徹底比較!新後見制度 vs 家族信託
2026年の法改正によって成年後見制度(新後見制度)の使い勝手は大幅に向上しましたが、依然として「家族だけで自由に財産を管理・運用したい」と望むご家庭にとっては、「家族信託」が非常に強力な選択肢であり続けます。
我が家の認知症対策・財産管理としてどちらを選ぶべきなのか、2つの制度の決定的な違いをプロの視点から徹底的に比較します。
5-1.2つの制度の決定的な違い
最大の違いは、財産管理のベースが裁判所の監督下にある「公的制度」か、家族間で結ぶ自由な「私的契約」かという点にあります。
5-2.項目別の徹底比較表
5-3.我が家に合うのはどっち?
それぞれの制度にメリット・デメリットがあるため、一概に「どちらが良い」とは言えません。ご家庭の資産状況や目的に応じて選ぶべき基準は以下の通りです。
新後見制度(補助)を選ぶべきご家庭
- ■
預貯金を中心としたシンプルな財産のみで、積極的な運用や売却の予定がない。 - ■
遠方に住んでいるなど、身の回りの手続き(施設入所や入院契約)を公的にサポートしてほしい。 - ■
親族間で財産管理をめぐる対立があり、中立な裁判所に介入してほしい。
家族信託を選ぶべきご家庭
- ■
実家やアパートなどの不動産があり、将来家族の判断だけでスムーズに売却・修繕したい。 - ■
親が認知症になった後も、計画していた生前贈与や収益物件の建て替えなどの相続税対策を継続したい。 - ■
他人の専門職に家計を干渉されたくない、生涯続く月額報酬の支払いを避けたい。
家族信託の最大の弱点は、介護施設の入所契約といった「身上監護(身の回りのお世話)」の手続き権限がないことです。そのため実務では、財産管理の大部分は「家族信託」で行い、将来の施設契約や年金口座の管理のために「任意後見契約」をセットで結んでおくという方法を使用することがあります。
5-4.併用時に知っておきたい「任意後見受任者とは」
ちなみに、任意後見契約において、将来本人の認知症が進行した際に後見人としてサポートすることを引き受けた人のことを「任意後見受任者(にんいこうけんじゅにんしゃ)」と呼び、家族をこの受任者に指定しておくことで、財産管理(家族信託)と身上監護(任意後見)の両面を完璧にカバーできるようになります。 財産管理を家族信託、身上監護を任意後見で補完する併用型を検討するケースもあります。
専門家選びで迷ったら?家族信託のプロに無料相談
専門家選びは、家族信託を成功させる最も重要なポイントです。「我が家に最適な形は?」とお悩みなら、まずは豊富な実績を持つプロへお気軽にご相談ください。
6.専門家が教える!失敗しない生前対策
親の認知症や将来の相続に備えるための生前対策は、ただ契約書を作れば安心というわけではありません。実務の世界では、焦って進めた対策が原因で、かえって家族の絆に修復できない溝を作ってしまう悲しい事例が数多く存在します。
我が家の資産と平穏な暮らしを最後まで守り抜くために、専門家が実務で実践している「絶対に失敗しないための生前対策の鉄則」を伝授します。
6-1.対策を始める最適なタイミング
すべての生前対策(家族信託、任意後見契約、遺言書の作成など)において、共通する大前提のルールがあります。それは、「親の判断能力がはっきりしている元気なうち」にしか契約を結べないという点です。
「少しもの忘れが始まっているけれど、まだ大丈夫だろう」と先延ばしにしている時間が、実は最大の失敗・手遅れを招くリスクになります。
6-2.失敗を避けるための3つのステップ
実務において、生前対策を円滑かつ確実に成功させるためには、以下の3つのステップを順番に踏んでいくことが鉄則です。
ステップ1:腹を割った「家族会議」を開く
法律上、家族信託などは親(委託者)と管理する子(受託者)の2人だけの合意で契約を成立させることができます。しかし、他のお子様(ご兄弟など)に内緒で手続きを進めてしまうと、「知らない間に長男が財産を独り占めしようとしている」「ボケた親に無理やりサインさせたのではないか」と深刻な疑念を抱かれ、将来の「争族」に発展します。 必ず事前に家族全員で集まり、なぜこの対策が必要なのか、誰がどのような責任を持って財産を管理・引き継ぐのかを全員で共有し、了承を得ておくことが最も重要です。
ステップ2:現状の資産と負債を「リスト化」する
プラスの財産(自宅、アパート、金融資産、預貯金など)だけでなく、マイナスの財産(住宅ローンや借金など)も含めて、すべての財産状況をくまなく調査し、「財産目録(リスト)」として見える化します。 財産に記載漏れがあると、信託契約の枠組みから外れてしまい、いざ親の認知症が進行したときに「この口座だけ凍結されて使えない」という落とし穴にはまる原因になります。
ステップ3:信託に精通した「専門家」を味方につける
インターネット上にある契約書のひな形を安易に流用して自作することは極めて危険です。法律や税務の考慮が不十分な既製品のような契約書では、金融機関で「信託口口座」の開設を門前払いされたり、将来思わぬ贈与税や不動産取得税などの税務トラブルが課されたりして、取り返しのつかない事態になりかねません。 必ず、家族信託や最新の法改正実務に精通した司法書士などの専門家をパートナーとして選び、オーダーメイドのサポートを受けながら進めてください。
専門家選びで迷ったら?家族信託のプロに無料相談
専門家選びは、家族信託を成功させる最も重要なポイントです。「我が家に最適な形は?」とお悩みなら、まずは豊富な実績を持つプロへお気軽にご相談ください。
6-3.生前対策のよくある失敗と回避策
実務の現場で特によく起きる失敗事例と、それを未然に防ぐためのプロの回避策をまとめました。
生前対策のゴールは、契約書の完成ではなく、「親御さんが最後まで安心して暮らし、残されたご家族が円満に資産を受け継ぐこと」です。我が家にとって最善の選択肢を見つけるためにも、まずは専門家の無料相談を活用し、現状を客観的に分析することから始めてみませんか?
特に、親御さんに軽度の認知症症状や物忘れが見られる場合、使える制度が急速に限られていきます。
「まだ大丈夫」と思える今こそ、実は対策を始めるベストタイミングです。
成年後見制度と家族信託で迷ったら?生前対策のプロに無料相談
専門家選びは、家族信託を成功させる最も重要なポイントです。「我が家に最適な形は?」とお悩みなら、まずは豊富な実績を持つプロへお気軽にご相談ください。
7.まとめ
2026年の法改正により、成年後見制度は「終身制」から「必要な期間だけ利用する制度」へと大きく進化しました。一方で、裁判所の監督や報告義務は残るため、自由度を重視する場合は家族信託が有力な選択肢です。
重要なのは、ご家庭の状況に合った制度を選ぶことです。今回の法改正の核心となるポイントを改めて整理し、これからの生前対策の道標としましょう。
- 2026年6月17日に成立した「改正民法」
判断能力が不十分な人を支援する成年後見制度の大幅な見直しを盛り込んだ改正民法が、17日の参院本会議で可決・成立しました。 - 実際に新制度が使えるのは2028年ごろの見込み
システム改修や現場のルール整備といった実務上の準備期間が必要となるため、実際に新制度がスタートするのは早くても2028年ごろになる見通しです。 - 「一生やめられない」終身制から「一定条件で終了可能な制度」へ
実家の売却など設定した特定の目的が完了し、家庭裁判所が必要性の消滅を認めた場合、途中で利用を終了できる仕組みが導入されます - 新設される「行為限定」の仕組みと、家族信託との賢い比較法
遺産分割など特定の行為に限ったスポット利用が可能になりますが、年1回の家裁への報告義務があるため、元気なうちに家族だけで自由に管理・運用したい場合は家族信託との使い分けが不可欠です。
2026年の法改正により、成年後見制度はこれまでより柔軟で使いやすい制度へと大きく進化しました。
しかし、「制度が良くなった=誰にでも成年後見が最適」というわけではありません。
ご家庭によって、
・成年後見が向いているケース
・家族信託が向いているケース
・家族信託+任意後見の併用が向いているケース
は大きく異なります。
特に、すでに軽度の認知症症状が見られる場合は、選べる対策が急激に狭まる可能性があります。
「まだ大丈夫」と思っている今こそ、実は最も選択肢が多いタイミングです。
親御さんの財産をどう守るべきか、どの制度が最適なのか迷われている場合は、できるだけ早い段階で専門家へ相談し、ご家庭に合った対策を整理しておくことをおすすめします。









司法書士・行政書士事務所リーガルエステート 代表司法書士






















































































































































